北朝鮮:「対韓不可侵を破棄」 国連の制裁決議採択に反発
毎日新聞 2013年03月08日 12時04分(最終更新 03月08日 14時21分)
【ソウル澤田克己】北朝鮮の祖国平和統一委員会は8日、国連安全保障理事会での制裁決議採択などに反発する声明を発表し、韓国との不可侵合意を破棄すると表明した。朝鮮中央通信が伝えた。北朝鮮は最近、朝鮮戦争の休戦協定を「全面白紙化」すると主張したり、核先制攻撃に言及したりするなど強硬な姿勢を見せている。
声明は、決議採択を「不法で道理に外れた横暴」だと非難。米韓両軍の合同指揮所演習「キー・リゾルブ」が始まる11日に、南北間の「不可侵に関するすべての合意を全面破棄する」とした。さらに、92年の南北非核化共同宣言破棄を主張するとともに、板門店に設置されている南北赤十字間のホットラインも「閉鎖する」と宣言した。
破棄の対象としたのは、不可侵や交流・協力に関する南北基本合意書(91年締結)。和解ムードが盛り上がるたびに取り上げられる象徴的な意味合いが残っている。また、韓国・聯合ニュースによると、ホットラインの断絶は2年2カ月ぶり。