米の価格が過去最低に落ち込んだことを受けて、農林水産省は買い叩きが行われていないか緊急調査を実施することを決めた。ちなみに、本年9月の米価格はおよそ13000円/60キロ、前年同月比で2000円の下落だ。 |
本年産米は品質が悪く、しかも供給過剰であり、米の価格が上昇する要因は無い。しかし、個別所得補償を理由とした買い叩きが価格の下落を助長していることは間違いない。 |
なにせ、いくら安くしても農家は赤字にならないのだから、バイヤーは良心を痛めることも無く、遠慮無しに買い叩くことが出来るだろう。 |
調査を行うのは農林水産省だが、危機感を募らせて調査を指示したのは民主党政務3役だ。もともと、農林水産省は個別所得補償に反対の立場で、制度による米価の下落を危惧していた。 |
それを民主党は「政治主導」の名のもとに官僚を押さえつけ、井出事務次官が反対意見を述べた時は「クビにされたいのか!」、と恫喝した。結果、個別所得補償制度は導入され、官僚らが危惧した通りの問題が現実に起きている。 |
分からないのが、この程度の下落幅で狼狽する政務3役だ。もともと個別所得補償は、農産物の輸入自由化を見越した制度だ。中国等諸外国から、安価な農産物が大量に入ってきても、競争力を失わせない為の制度である。 |
国際相場を見た時、日本の米は断トツに高い。民主党は、「高過ぎるから輸出出来ない、もっと安くしろ」「消費者も安い米を求めている」「農家の経営?、個別所得補償導入すれば問題無い」、とまくし立てた。 |
つまり、米価格の下落は民主党が望んできた「成果」であり、何も危惧することではない。むしろ、初年度から過去最低の米価を導いたことを誇りに思うべきだ(笑)。 |
米の国際相場は近年高騰しているが、それでもおよそ300~600ドル/トンだ。高騰前は、100~300ドル/トンだった。仮に1ドル=100円で計算した時、1トンの価格は10000円~60000円、60キロあたりにすれば600円~3600円である。 |
過去最低価格と言っても、日本は13000円/60キロだ。対して外国産は600円~3600円/60キロ。価格差は歴然であり、この格安米が輸入自由化されれば日本の米農家は壊滅必死だ。 |
しかし民主党は、「大丈夫です、個別所得補償で全ての農家を守ります!」、と大見えを切り、農村にはビラを播いた。本年産の下落幅など、国際価格からすればお話にならない少額だ。この程度では、国際競争力など無いに等しい。 |
篠原孝農水副大臣は、「国が補償するから、その分、安く買ってもいいだろうということなら、不届き千万だ。民間取引がどうなっているかを調べる」、などと語気を強めたが、本当に制度を理解しているのか?(笑)。 |
独占禁止法をちらつかせて脅したところで、「国が補償するから、その分安く買って外国産との競争力を高めることが出来る」という建前が成り立つ以上、いくら調査しても無駄である。そもそも、それが制度の目的であり、民主党の推進理由ではないか。 |
いいからもっと買い叩け。米が国際価格並みの1キロ100円以下になれば、みんなもっと米を食べる様になるだろう。輸出も拡大するだろうし、自給率も上がる。良い事づくめだ。 |
財源など心配する必要は無い。今、特別会計の埋蔵金を絶賛掘り出し中である。何もかもが、民主党マニフェストの予定通りに進んでいるではないか(笑)。 |
朝日:新米価格が最安値 所得補償影響か、安値買い広がる |
http://www.asahi.com/business/update/1028/TKY201010280594.html |
農林水産省は28日、今年産新米の9月の平均卸売価格を発表した。1俵(60キロ)あたり1万3040円で、前年同月より2129円(14%)安く、過去最安値となった。米価が下がっても国が農家の所得を補償する制度が今年度から始まったことを背景に、集荷業者による「安値買い」が広がっており、農水省は緊急調査を始める。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ |
by kokeko
公明党にキャンと言わされた橋…