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少年野球・学童野球・リトルリーグ(軟式/硬式)

小・中学生の硬式(軟式)野球は義務教育に限り行われている。

・ジュニア(幼稚~小3)・リトル(学童)(小4~6)・シニアリトル(中1~3)
体力に応じて子供が主役のリーグ戦が大人主導で行われていく。

野球の盛んな地域の小学生はボサッと家でゲームをしてはいけない。

運動神経抜群な学童は野球でスターを夢に見てもらいたい。

学校では勿論野球部。

街でも遊び広場でも野球選手は有名。

中日Jr.監督①~江藤さん頼みます
健康で体格もよい子供となると野球好きなオヤジ連中が騒ぐ。

「おまえバット持ってみろ。球を投げてみろ」

小2ぐらいで逆上がりも跳び箱もうまくて得意。

そこにもって左利きなら本人の希望など完全に無視しても野球少年になってもらう。

「ちゃんと投げてみろよ。オーバースロー投球フォームを見てやろう」

隣近所の野球好きオジサンが少年野球チームに子供を推薦する。

※子供がサッカーに目覚めてしまいそちらに取られる前に。チャチャっとグラブを与え野球ファンにしてしまえ!

「ホラッ坊主!青い中日の帽子あげるがや。坊主のおやじの名前はなんて言うんだ。えっおやじは昔野球やっていたのか。プロか高校か。明日から一緒に野球をやろう」

学童野球に参加してくれたら子供の適正を見定める。
スポーツ万能な親御さんから受け継ぐ優秀なDNAを考え野球に活かして貰いたい。

あわよくばうまく育成をして将来のプロ野球選手誕生の日を見たい。

学童軟式野球大会は盛んとなり各地にあるリトルリーグのチームをひとつにまとめさらに切磋琢磨である。
気がついたら学童日本一を決めようかと大人の事情が入ってくる。

小学校学童の軟式野球チームの先駆者はイチロー杯。
愛知県豊山(とよやま)町出身のイチロー。

少年ドラゴンズ憧れのイチローは小学生の野球に力を入れている。

将来のある子供らに是非とも頑張ってもらい第一に野球選手を夢に見て欲しいと思うからである。

イチローの口からサッカーだテニスだと聞いたことがない。

『イチロー杯争奪学童野球大会(豊山町民球場)』

イチロー杯が毎年回を重ね恒例の学童大会となると他のプロ野球選手も賛同していく。

必然的に"(かんむり)大会"を開催し今は人気の学童野球大会である。

野球の好きな江藤慎一さんもである。将来はプロ野球に行ける選手を育成して江藤野球教室を開催していた。(学童ではなかった)

ならば選手の低年化をはかり学童野球だってやってやれないこともない。

第1回全日本学童(軟式)野球大会がナゴヤ2軍球場で開催される。(中日新聞社協賛)

この大会は小学生5・6年主体。各地区の予選を戦い抜き決勝トーナメントまで辿り着く。

こんな学童の目標があるならばリトルリーグの監督さんや指導者は勢いづく。

この全国大会に参加は高校生の甲子園大会の様相を呈する。

勝ち上がれば学童日本一の称号を得ることができる。
嬉しいことに日本代表としてアメリカで世界学童野球大会が待っていた。

地方都市のリトルリーグを優勝することが子供たちの喜び。地区優勝を果たし全日本と駒を進める。子供らも胸が踊る。リトルリーグは軒並みレベルがあがる。
子供の好きなイチローは大リーグから愛知県に帰えると学童野球が楽しみである。

イチロー杯学童のレベルはどんどん高まり全国学童も狙い打ちとまでいく。

イチローは帰国の際にインタビューを受ける。大リーグのシーズンはどうだったか。オフシーズンはどうするか。

そのインタビューの開口一番は地元豊山町の学童野球が楽しみと答えている。

名古屋市にある中日ドラゴンズ球団事務所である。

オーナーと球団社長のトップが相談をしている。

12のプロ球団の下部組織に学童野球を編制しようとセ・パ両リーグの通達があった。

球団社長は学童チームについてニコニコしながらオーナーに報告する。

「御存じのように名古屋という土地は野球が盛んです。名古屋の街至るところで子供たちがリトルリーグで野球に親しんでおります。
名古屋は野球そのものレベルが高いですから中日ジュニアを編制するには各チームから子供を選抜すればよいでしょう。強い学童チーム中日ジュニアなんて簡単に集められますよ」

中日球団社長は気楽なもの。オーナーに簡単な進言をするだけである。

名古屋は小学校の野球人口が豊富で人材はいくらでもいますからっと笑った。

12球団対抗ジュニア編制について。

第1回全日本プロ野球学童野球大会の趣旨。

オーナーは手元に用意されたパンフレットを眺める。
子供のため全国規模で学童野球大会をするとは微笑ましいことではないかと賛同する。

「社長からの話はよくわかった。中日も強い学童ジュニアを集めて頑張ってやろうじゃあないか。名古屋の優秀な子供を集め中日のユニフォームを着せるわけだな。

年末の学童野球の決勝は我がドラゴンズのジュニアが元気よくプレーをしていると言うわけか。

本家の中日ドラゴンズも日本一ならばオーナーとして最高なんだなあ。ウハウハで正月を迎えられる」

オーナーはご満悦な気分である。捕らぬタヌキの皮算用。

中日という球団は子供でも大人でも強くみえる。

球団は広報職員を組織して学童チーム中日ジュニア編制をする。

ジュニア強化プロジェクト(監督・コーチングスタッフ任命)を極秘に結成する。

年末の全日本学童選手権に標準を合わせる。

中日Jr.強化の中心になる監督・コーチは中日のOBに白羽の矢が当たる。

広報は数人適任者をピックアップし職員内で人選を進める。

このスタッフ人選は秘中の秘としておきたい。口の軽いオーナーも球団社長にも知られない。

オーナーは中日新聞記者あがり。知り得たニュースは直ちにしゃべってしまう習性が染み付いていた。

だからオーナー報告は最終決定である。

メンバー選出は表舞台に出さないことを前提に広報球団職員の手で進める。

ところがである。監督選びスタッフ選びプロジェクト立ち上げの大切な初期段階でオーナーから助言を受けてしまう。

「ほぉ~君たちっ。仕事熱心だね。プロジェクトを立ち上げるのかい」

学童野球Jr.監督というものは子供好きというものがキーパースンになる。

人事権のあるオーナーは何が言いたいのか。

"鶴の一言"を広報職員はハラハラしてしまう。

「子供が好きといえば適任者が…あっ~…あるがなあ。Jr.監督となれば子供好きな"彼"があるさ。そういえばこの数年私は逢ってないなあ」

オーナーからの進言の"彼"とはなにか。広報の職員ははてはてと首を傾げた。

オーナーが暗に含めた彼。
Jr.監督に推薦していく彼とはどなたか。

「私の秘書が確認したところだとだがぬ。"彼"は元気にしている。これは…あっ~…年末が楽しみだ」

オーナーはニコニコしている。気分はすでに決まったという塩梅(あんばい)である。

「"彼"がどんな子供を選びどんなチームを作ってくれるか。どのように鍛えてくるか。学童と言えば将来のドラゴンズを担う人材も輩出する可能性すらある」

オーナーはひとり悦に入って満足げだった。

"彼?"

球団職員はなんのことかさっぱりでキョトンとしてしまう。

オーナーの後ろに控えるは優秀な秘書。

「こちらに…」

メモをもらう。

オーナーに気がつかれぬようにこっそりと広報に手渡す。

"彼をJr.監督に人選しなさい。オーナー命令である"
秘中の人選が原則のJr.監督人事である。

広報はメモを盗み見る。

「うん?なるほどっ!」

膝を打つ。

「この方が監督さんなら。ジュニアに与える尊敬と畏敬の念も充分に計算できるわけですね」

広報職員はわかりましたとオーナーに深く頭をさげた。

「気持ちのよい人事を期待していますよ私は」

オーナーの声は絶対的なものである。

天の声あり

鶴の一声だった

全ての始まりがJr.監督さんである。球団職員のリストはかつて中日ドラゴンズに所属した選手が並ぶ。

広報の会議室は投手部門・野手部門に分かれて検討会になる。

Jr.監督は"彼"である。

彼なら…

強いジュニアのチームを編制してくれるであろう。

打撃理論は一流で子供の野球。学童指導も苦にしない。

回りを固めるコーチ陣はどうか。

アイツだからできるチームを作りあげてもらいたい。
打撃や野手出身の身だから守っていくチームを好むだろう。

子供らが中日のユニフォームに袖を通して戦う。中日の選手であることをプライドに感じてくれる監督がいい。

野球センスは子供のことだから求めない。多少の荒いプレーは目をつぶりプライドを持つ野球をして欲しい。

日本一を決める学童大会の決勝戦はナゴヤ球場である。決勝まで勝ち上がりが理想的だが。

中日の一員としてのプライドを感じ頑張ってくれる監督を選ぶべきだ。

広報職員はオーナーに監督候補を2~3挙げてみる。候補の中に"彼"の名前もある。

オーナーはその名を見て悦に入る。ジュニアプロジェクトを進める広報職員に堅く握手を求めた。

「監督はこの"彼"で頼むよ。彼でいいじゃあないか。僕は文句はないね。えっと今から本人に連絡をするのかい」

オーナーはニコニコし嬉しくてたまらない。

年寄りの楽しみが増えてご満悦であった。

「なんなら僕が電話しても構わない。アイツなら断りなんかしないしな」

オーナーの発言は絶対であり決定力も備わる。広報はまだ人選を絞り込む前の段階で決定にまで至らない。
オーナーの専断に困ってしまう。

鶴の一声は啼かれた。

監督は"彼"にしたまえ。オーナー命令だ。

中日ジュニア監督はここにあっという間に人選されオーナーはニコニコしていく。

次に本人の快諾を待つのみである。オーナーは広報の目の前で秘書に電話を入れさせる。

「オーナーのお気持ちはわかりました。ひぇ~」

トップシークレットもなにも度外視されてしまった。
オーナーは窓から栄の街を眺めた。

「アイツが名古屋を離れてどれくらいになるだろうか。いつも見ている名古屋の街をどんな思いで見るだろうか」

中日ドラゴンズJr.監督候補となった人物。

中日ドラゴンズからの監督要請の電話が鳴る。



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