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スポーツ報知>コラム>城田憲子の「フィギュアの世界」

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フィギュア中国杯総評

 女子は浅田真央、男子は新鋭の町田樹が優勝した中国杯。そこで気になった4選手を取り上げる。

 【真央VSリプニツカヤ=女子】

 真央の回転不足は懸念されていたが、やはり初戦でそれが出てしまったようだ。3回転フリップ+2回転ループのコンビネーション・ジャンプの3回転にアンダーローテーションが付き減点。その他の3回転ループとダブルアクセルはGOE(技術評価点)がプラスと付いた。スピンとステップは全てレベル4が取れた。「アイガット・リズム」ミュージカルの中のクレイジー・フォー・ユーという、少し陽気なリズムに乗って楽しく滑る感じは新しい試み。だが、少しメリハリがないようにも感じる。新しいジャンルのプログラムをこなすことが、まだ難しいのかもしれない。5コンポーネントの得点の高さを明日に生かしていく必要があろう。

 ジュニア無敗を誇るロシアの新星、ユリア・リプニツカヤのコンビネーション・ジャンプは3回転ルッツ+3回転トーループを挑んできた。脅威の柔軟性をスピンに存分に駆使し、特にレイバックスピンは見事だ。本人が付けたという「キャンドル・スピン」にはアッと驚きが走る素晴らしい出来だった。デニス・ビールマン(スイス)がビールマン・スピンをやった時とはまた別物の驚くべくスピンである。それにジャンプの安定性も手伝い、得点は、真央を上回った。ロシアの層の厚さが彼女たちを強くしているのだろうか? リプニツカヤが1位通過。きん差で真央が続いた。

 フリーで追う立場の真央にとって、少し気持ちが楽に迎えられたのかもしれない。タラソワが選んだ曲は「白鳥の湖」。途中から攻撃的な速いテンポの黒鳥にと曲は変わっていく、今年の彼女にとって、有利に働く曲のような気がする。序盤、得意の3回転ループから、ダブルアクセル+3回転トーループは両足着氷。イーグルからの3回転フリップは回転不足。2回転ルッツは「e」マークで間違ったエッジのテイク・オフ。3回転サルコーはGOEがプラスになり、後半1・1倍になる3回転ループ+2回転ループはOK。3回転フリップ+2回転ループ+2回転ループは3回転が回転不足、第3ジャンプの2回転ループが回転不足と、少し最後のステップでは慎重さがあったのかもしれない。

 体は良く動いていたように感じた。終盤のステップシークエンスはレベル3ながら、GOEでの評価が高かった。真央とタラソワのコラボレーションは、タラソワならではのアイデアが入っていて、ループからウィンドミル、そしてスパイラルのコレオシークエンスも高い評価を得ることが出来た。久々に真央の笑顔を見ることが出来た。しかし、ジャンプの回転不足は否めず、スピン、ステップの高評価で稼いだ感じがある。今後ジャンプの調子を上げていけば、さらに得点を伸ばすことが出来るはずだ。フリー1位、総合1位で久々の優勝。復活しつつある真央を垣間見た気がした。

 若いリプニツカヤは、ジャンプと柔らかい体を生かしたプログラム構成で挑んできた。3回転ルッツ+3回転トーループ、ダブルアクセル+3回転トーループと他4つのジャンプを序盤に続けて入れてきたが…完全な形では遂行できなかった。5種類のジャンプは跳べるものの、十分にその力を発揮できなかった。追われる立場は、14歳のジュニア上がりにはきつかったのかもしれない。

 彼女の敗因は、3連続のコンビネーション・ジャンプがなかったことも挙げられる。1・1倍になるジャンプが2つとも単独で、真央は後半、2つのコンビネーションジャンプで稼げた。コンビネーション・スピンがレベル1になったことや、各要素の完成度が低くGOEでの加点が少なかったことも優勝を逃した要因だ。レイバック・スピン以外はレベル4が取れない状態になり、得意なスピン3つも十分に生かし切れず、若さゆえまだまだ青さが目立った。

 しかし、有望株であることは確かで、幹部が視察に訪れるなど今後の成長にロシア連盟も大いに期待していることだろう。キーラ・コルピ(フィンランド)を抑えSP1位でフリー2位。総合2位に入り、新鋭のGP初参加は好結果となった。

 【大輔VS樹=男子】

 大輔はロックンロール・ミュージックを使い、予定通り4回転ジャンプに挑んだが両足着地でアンダーローテーションも付いてしまった。大きな減点を余儀なくされた。ステップがレベル3だったもののGOEで加点が貰えることは、体と連動する自在な足さばきが音楽に調和し、大輔の定評のあるステップだからだろうか? その他の要素は全てがレベル4ではなかったが、初戦で1位通過はラッキーだったろう。やはり、全体的に見て、大輔の貫録がものを言っているのではないだろうか? スピンに課題が残ったり、動き自体はまだまだかとも思えるが完成度が高くなった時、また一皮むけた大輔がリンクに立っているだろう。

 今年の選んだ曲は「道化師」。歌劇だ。シェイ・リーン・ボーンの振り付けである。後半5つの連続ジャンプも見どころの一つだ。序盤に用意していた4回転トーループは着地が両足となりダウングレード。空中で体を締めが足りない感じで減点。続く4回転トーループはコンビネーション・ジャンプを予定していた。これも回転不足の両足着地で、1回転トーループが付き不完全なものに。最初のヤマ場は盛り上がらずに通り過ぎてしまった。

 後半の5つの連続ジャンプで大輔の良さを見せるはずだったが、トリプルアクセルの着氷時のステップアウトや3回転ループの回転不足で、ジャンプの要素がプログラム上、上手く作動しなかった。スピンや2つのステップからはGOEはもらえたが、全体的にインパクトが今一つだったことは、残念だった。まだまだエンジンが掛かり切れない初戦だったが、ベテランの大輔のこと、シーズンが進むにつれて、つじつまを合わせていくだろう。期待したいところだ。フリー2位で後輩の町田樹に優勝を譲り2位でGPの初戦を終えた。

 その樹は「F・U・Y・A」。曲想を生かし、思い切り体を使い、精一杯頑張った。ショートは2位通過。4回転ジャンプなしでの戦いはプログラムの良さでカバーした。日本の曲のようだが、フランス製。8要素を確実に決めGOEではマイナスの評価はなかった。エキジビションでは楽しさも手伝ってか? ミスは少ない。昨季まではシーズンの本格的な試合になると、なんだか失敗が多かった。今シーズン初めの大会を迎え、緊張しながら平常心を保って演技が出来るようになったと感心。会心の演技でフリーを迎えることになった。

 曲は「火の鳥」。全体をきちんと決めてのスタイルが目を引いた。冒頭のトリプルアクセルは加点が付くほどだったが…。気になる4回転トーループは回転は足りたが転倒してしまった。減点3。中盤前のトリプルアクセルのランディングが悪く、シークエンス扱いになり減点。それ以外は樹の良さが出て、その勢いを演技として氷上に表していた。今一つのスケーティング質、伸びやかさ、ブレードの伸び、シャープさなどほしいところだが…。各要素を淡々とやっていくのは、立派なものだ。

 全体的に曲想に合った振り付けなど、進歩した樹の演技は光って見えた。大輔を抑えフリー1位、総合1位でGP初の金メダルを手にすることが出来た。日本人で一番早くGPファイナルの出場権を得ることが出来た。樹にとって、うれしい2戦目だったろう。

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(2012年11月30日16時31分  スポーツ報知)

著者略歴 城田 憲子(しろた・のりこ)

 1946年7月4日、東京都生まれ。立大卒。選手時代はシングルとアイスダンスで活躍し、全日本選手権ダンス部門2連覇。現役引退後は日本スケート連盟で選手強化を手掛け、長野五輪からトリノ五輪までフィギュア強化部長を歴任。また、国際審判員とレフェリー資格を持ち、五輪をはじめ多くの国際試合でレフェリー&ジャッジも務める。

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