まおゆう魔王勇者・第11話
話がガンガン進んでいるでござる。
同盟の青年商人が仕掛けた小麦の買い占め。それに伴う嘗て無い物価上昇。財政事情が苦しくなった聖王国は新金貨の発行に踏み切った。新金貨を従来の1.4倍の価値として交換させ浮いた分を収入としようと言う訳だ。江戸時代初期に小判の金含有比率を変えて一時的な幕府の収入にした事が何回かあったが、それと同じ様な事か。ただ、その価値は維持できるかどうか。普通は出来ないが。
青年商人は火竜公女と一緒に冬の国の財務長を訪ねる。財務長は嘗て紅の学士に教えを受けたあの商人子弟。同盟の青年商人がやって来たと聞いて、彼がこの物価高騰を招いた取引を仕掛けた本人だと見抜く。そして青年商人が申し出た4つの要求について考える。1.三国内を通過するだけの同盟の物資には関税をかけないで欲しい。2.極光島に商館用の租借地が欲しい。3.三国の首都にも商館を建てたい。4.馬鈴薯を買い付けたい。
青年商人の目的を考えた財務長はやがてその真意に気がついた。同盟は聖王国の通貨以外の通貨を確立しようとし、三国の背後にある魔族との商取引をしようとしているのだ。商人なのだから。そして同伴した極光島における魔族代表の火竜公女もそれをお願いする。
経済が中央諸国の思う様にならなくなりつつある。
そして軍事面。中央からの討伐遠征軍は冬の国の数倍の軍勢と大量の騎馬を従えて国境付近に到着した。肥満領主はその討伐軍の中のそれなりの地位の司令官の様だが、自軍が多勢である事に油断している様に見える。現地の地主からの貢納品を疑いもなく農地が荒らされるのを恐れてのものだろうと受け取る。酒に溺れるとろくな事にはならんのだが、とりあえずそれをネタに宴会をさせて攻撃を遅延させている様だ。そしてそれは酒だけの話ではなかった。大量の軍馬を従えてきた以上、それに見合った大量の飼い葉が必要になる。これも女騎士の差し金で腐り水を少々含んだ飼い葉を提供させ、馬を弱らせて攻撃開始を遅らせる。
そのうちに冬将軍がやって来るぞ。
中央からの討伐遠征軍とは別に南部諸国で動乱が発生。農奴解放が行われた三国に向けて白夜の国の農奴が逃げ出した様だ。このまま黙っているとどんどん国力が衰退する白夜の国。その白夜王に対して片目司令官が入れ知恵をした。黙って吸い取られる前に攻め込んで併合してしまえば良いと。
かくて軽騎兵を主力とした白夜軍が鉄の国に対して奇襲をかけて来た。数の上では白夜の国の軍の方が上。しかも機動力に富んだ軽騎兵だ。だが鉄の国にはあの軍人子弟がいた。紅の学士と女騎士に薫陶を受けた軍人子弟がいたのでござる。
正面から迫る騎兵には足を止めて弩で対抗。機動力を活かそうと左右両翼に別れた白夜軍に対しては斜線陣を組んだ自軍の右翼を厚くして左翼に流す。そこを一気に片付けようと言うもので、どうやら戦闘は鉄の国の圧勝に終わったらしい。戦闘後の負傷者の手当もトリアージの手法を取り入れて大量の負傷者の中から重傷者を選んで治療を施す。
片目司令官は街の中に逃げ込んだらしいが、それを軍人子弟は捕らえに出る。
うーん、まかり間違えば死亡フラグなんだが・・・大丈夫かな。
さて激動の人間界に対して、魔界では魔王の儀式のあいだに魔王さんは意識を歴代魔王に乗っ取られてしまっていた。中身が歴代魔王になってしまった魔王をメイド長はなんとか元の魔王さんに戻そうとするが、力が違う。そこに勇者が突っ込んで来た。
勇者が魔界に突入するにあたっては侵攻してきた蒼魔族の軍を女魔法使いが引き受けてくれて、魔王さんが大変だよと言う導きがあったればこそではあるが、長く待たされて登場したと思ったら女魔法使いはもう出番が少ないねw
なんだか終盤で詰め込まれすぎた気がする。
今回EDが無かったのは特殊EDと言うよりも、尺が足りなくなって無理に詰め込んだんじゃないかと言う雰囲気が感じられる。
1クールじゃ足りなかったんじゃ?