卒業式当日の悲劇に、青空君が通う二本松市立油井小学校の伊藤雅裕校長（５８）は「おとなしいけれど、勉強もがんばっていて、友達もたくさんいた。卒業証書を渡したかったのに…」と絶句した。
青空君が亡くなった２２日は、午前９時半から卒業式が開かれる予定だった。
「これまで無断欠席は一度もない。欠席もほとんどなかった」という青空君が、式の１０分前になっても姿を見せなかったことから、担任が学校近くの青空君の自宅を訪問。しかし、応答はなく、母親の渡辺容疑者も携帯に出なかった。式が終わってからも、訪問や電話をしたが、連絡はつかなかったという。
市教育委員会によると、夕方になっても自宅に明かりがつかなかったことを不安に思った学校側が、近くの駐在所に連絡。警察官に状況を説明するなどしているうち、渡辺容疑者が自首してきたことが分かった。
「給食費の滞納もなく、家庭訪問や個別面談でも、子育てや生活の悩みを聞いたことはない」と伊藤校長。青空君は、卒業式で他の児童と言葉を述べる担当になっており、前日まで熱心に練習に取り組んでいた。
近所の男性（７８）は「母親はここ１週間くらい悩んでいる様子だったが、仲が悪いようには見えなかった」と話す。
青空君は４月から、地元の安達中学校へ進学することになっていた。