安倍首相:挑発に攻撃、見極め、守備 三変化の国会答弁

毎日新聞 2013年03月24日 09時35分(最終更新 03月24日 10時06分)

首相答弁の特徴
首相答弁の特徴

 安倍晋三首相が今国会の前半戦、危なげなく答弁をこなしている。高い内閣支持率と再登板による自信もあってか、野党の挑発に乗らず、テーマに応じて「攻撃」「見極め」「守備」を使い分けるスタイルが浮かび上がる。

 「前回は気負って、自分の思いは通じると信じていた。今は国民が望むものを考え、優先順位を付けている」。首相は7日の衆院予算委員会でこう語り、「美しい国」など理念を強く訴えた第1次内閣(06〜07年)当時と比べる余裕を見せた。

 実際、首相が攻撃的な答弁を見せるのは、最優先課題に掲げる経済や東日本大震災の復興政策。民主党の海江田万里代表が7日の衆院予算委で、経済政策について「デフレ克服には中間層を復活させないといけない」と主張すると、「民主党政権は3年間やってできなかった」と真っ向から反論。「大胆な金融政策で株価と為替に変化が出て、インフレ期待が進む」と持論を展開した。

 一方、中期的な問題は状況を見極め、そつのない答弁を心がけているようだ。

 自民党は先の衆院選公約の付属文書に、沖縄県・尖閣諸島への公務員常駐を盛り込んだが、これをただされると「安定的に維持管理する選択肢の一つ」(4日の衆院本会議)と説明。中国との関係悪化を避けるとともに、野党の「公約違反」批判も封じ込めた。

 「守り」が際立つのが、「安倍カラー」と見られてきた歴史認識や憲法改正問題。従軍慰安婦問題で旧日本軍の強制性を認めた1993年の「河野談話」をめぐり、8日の衆院予算委で辻元清美氏から「(首相は)衆院選中に見直すと発言した」と追及を受けたが、「政治・外交問題化させるべきではない」との答弁を貫いた。

 背景には、この問題で韓国などと関係が悪化した第1次内閣の経験があるとみられ、首相周辺は「歴史認識の問題では首相は持論を抑えている」と話す。

 ただ、9日のBS朝日の番組では将来的な憲法9条改正に意欲を示し、9条改正に慎重な公明党を刺激した。首相は11日の衆院予算委でこの発言をただされ、「(自民党の)憲法改正草案の9条についての解説をした」とかわしたが、夏の参院選をにらんで安全運転に徹すれば、持論を封印せざるを得ないジレンマをのぞかせた。【小山由宇、光田宗義】

最新写真特集

毎日新聞社のご案内

TAP-i

毎日スポニチTAP-i
ニュースを、さわろう。

毎日新聞Androidアプリ

毎日新聞Androidアプリ

MOTTAINAI

MOTTAINAIキャンペーン

まいまいクラブ

まいまいクラブ

毎日RT

毎日RT

毎日ウィークリー

毎日ウィークリー

Tポイントサービス

Tポイントサービス

毎日jp×Firefox

毎日jp×Firefox

毎日新聞のソーシャルアカウント

毎日新聞の
ソーシャルアカウント

毎日新聞を海外で読む

毎日新聞を海外で読む

毎日新聞社の本と雑誌

毎日新聞社の本と雑誌

サンデー毎日

サンデー毎日

毎日プレミアムモール(通販)

毎日プレミアムモール(通販)

毎日新聞のCM

毎日新聞のCM