森 賢太朗
保守のスペシャリスト!?
‐さっそくなのですが、森さん。マーケティング部の内山千穂さんから、「保守時代の尊敬パーソンです!!!」というコメントが入っています。どうですか?
えええ??それ、プレッシャーですね(苦笑)。そんなことないと思うけど、でも嬉しいですね。ありがとうございます・・・。
‐では、簡単に保守の仕事内容をおしえてください。
大きく分けて2つあります。まずは、リリースされた案件に対して、サービスが落ちないように継続していくこと。そして、リリース後もユーザーの需要が変わってきたりするので、インターフェイスを変更したり機能を追加したりする、追加開発です。後者は終わりのない仕事で、サービスが落ちないように安定稼動させるのが一番なので、お客さまと一緒にWEBサイトを盛り上げていくことがメインですね。
‐それってすごく根気が必要だし、とても地道な作業ですよね。優れたコミュニケーション能力の秘訣とは?心がけていることかありますか。
例えば、ひとつの機能を追加するにしても、実施するまでにかなりメールでやりとりしますね。注文が入った場合もっとこうしたほうがいいと具体的にアドバイスするし、どう考えても必要なければ、それは必要ないと正直に言うし、ちゃんと理由を伝えます。メールの量が増えて忙しくなるけど、自分も納得して、お客さんも納得する形まで落とさないと、追加開発はやらないというスタンスです。
‐男気溢れていますね!
いやいや(笑)。担当しているWEBサイトが安定稼動して、ユーザーにうけるようになれば、やっている方も楽しいので、サービスありきで考えるというシンプルな作業ですよ。
‐具体的な最近のお仕事の話は聞けますか?
証券会社とか中古自動車の仕事をしているのですが、残念ながら名前は出せません。けれど、業種によって作業内容が大きく異なるようなことはなく、例えば楽な入力方法にするかとか、見栄えとか、WEBサイトのコンテンツを仕上げるという点では、業務内容はあまり変わらないですね。
‐なるほど。一方で、森さんはPM(プロダクション・マネージャー)も担当されていますよね。その話もお聞かせください。
そうだなー、例えば去年~今年の案件です。共同購入クーポンのような仕組みを取り入れたいという話が新規で来ました。その話を受けた上司は隣の席で、俺はたまたま内容を聞いてしまい、「じゃあお前やるか」と言われた。そして、気が付けば担当することになってました、という話があります(笑)。
‐あいかわらず、チームラボは自由ですね・・・。
ほんとうに(笑)。でも、導入時期は決まっていたからやることは明確だったのでよかったかな。導入時期からサーバーの構成、インフラの調整、オリジナルのサービス、デザインまですべての計画を立てて、早急にチームを作りました。一番大変だったのは、複数社からの申し入れだったので、ダブルスケジュールをうまく調整し、効率よく、短期間で終わらせることでした。
‐それは無事に、リリース出来たのですか?
はい。半年かけて9社、全て無事に完了、現在は保守対応中です。
プログラムの書けないエンジニアがPMになるまで
‐チームラボに入った経緯を教えてください。保守志望?PM志望?
WEBサイトを作れるようになりたいとは漠然と思っていましたが、特になく。というか、入社当初は、実は俺、エンジニアだったんです。プログラムが書けないエンジニア。いったいなぜ採用されたのかわからないですよね(笑)
‐え、エンジニアで入ったの??
そう(笑)。それも、入社してから判明したことで、「俺って、マーケティングとエンジニアとどっちなんですか?」と上司に聞いたら、「エンジニアだよ」といわれて、えええーー大丈夫なのかなと(苦笑)。
‐はぁ・・・。
チームラボの採用はその当時、マーケティングもエンジニアも窓口はひとつ。一次面接で各人の適正をみて、二次面接、三次面接と進む中で、マーケティングとか、エンジニアとか、分野毎に分かれていたようです。ちなみに学部時代は電子情報学部で、一見関連性ありそうなキーワードなのですが、専門は半導体。あまり関係なかったです。
‐すごいチャレンジングですね。
ほんとうにそうですよね。WEBサイトを作るのが面白そうだからと思って入社してみたら、いきなり「プログラム書いてみよう」、ですからね。そうは言われても、当たり前に右も左もわからないのでどうしようと心配していたら、ちょうど新規プロジェクトで携帯電話を使ったテスターが必要だったので、テスターに選ばれました。なので、入社して数ヵ月間はずっと携帯いじって作業していましたね。
‐なるほどー・・・。激動すぎる新卒ですね。
はい(笑)。そして3~4ヶ月後ほど経つと、勉強も兼ねて、リリースした案件の追加機能の依頼を担当することになります。それもまた全くわからないのに、担当することになった。その時、当時PMをやっていた人が俺のプログラムを見てくれることになり、本格的に勉強し初めましたね。ただ・・・問題があって。その方は世界を見たくなってしまって、ある日ほんとうにラボから居なくなってしまった。「まじすかー・・・」って、驚いている暇も無く、必然的に、PMになった・・・。あれは、入社して1年も経っていない頃です(苦笑)。
‐やっぱり、激動すぎます・・・。毎日ちゃんと帰れていました?
終電が続き、作業は大変でしたが、とにかく覚えたかった。交渉能力とかゼロだったし。なので、とにかく先輩の技を真似しようと思い立ち、盗める技は盗もうと頑張りましたね。一緒に客先へ行った時は、議事録ではなく、その先輩の「話の仕方」をメモ。一人で行くようになったらば、失敗した時には内容を先輩に報告し、指示をもらい、次に生かすという作業の繰り返しでした。
‐すごい完璧!!こんなにも尊敬される森さんが出来上がったゆえんですね~
炎上プロジェクトに、ジーザス現る?!
‐しかし、こんなむちゃぶりな話ばかり聞いていると大変そうですが、チームラボを辞めようと思ったりしなかったのですか?
なんというか、けっこう全部楽しいです。だいたいどんな案件にも奇跡的なエピソードが付きものですし。例えば、その当時お付き合いしていた彼女に振られて10キロ痩せたときは、45キロのやつれ顔になり、その当時のクライアントから、「森さん最近ジーザスみたい」って言われたりして。実際、ほんとうに厳しい案件だったので、的を得ていたわけだけど、すごかった。でも、どうにかリリースして、終ったー!!という達成感があると、一気に開放して、そっこー合コン!みたいな(笑)。
その後結婚して、共同購入クーポンの仕事をしている時は、リリースのタイミングと嫁の出産のタイミングが合わさってしまったんです。でも、出産立ち会いたいから、無理言って社内で代理人を立て、病院から指示だしたり、分娩室に入っている時は全部お任せしたりと、密なやりとり繰り返していました(笑)。
‐めちゃくちゃポジティブですね。でも、チームラボにはそういう雰囲気ってあると思う。どういう人が、チームラボには求められているとおもう?
毎回ハードルがあがっていくのがこの会社の仕事で、どうにかしなきゃって大変なんだけど、結果的に諦めずにとどまって、結果、思い返せば、楽しかったなーということばかり。そういう意味では、バランス感覚のある人かな。いきなりひっくり返された時に、軌道修正できる柔軟性は大切かも。
‐たしかに!チームラボはまさにチームワークの会社だから、そういう感覚は大事。
そう思います。
‐では、実際はどういう人と働きたいですか?
自分の行動に責任を持ってやれる人かな。出来なくても、そっちの方が気持ち良い。逆に、出来ないことがあった時に人のせいにする人は、向いていないと思う。チームラボは研修制度があるわけではないので、わからないことはアラートを出して欲しいし、ゴールまでこぎつける根気が必要ですね。一方で、個人に任せられる量も多いので、スキルを伸ばすためには様々なことに挑戦できる環境ではあるから、なんでも楽しめる人には、成長があるので、楽しいと思う。
‐最後に一言欲しいのですが、結婚生活とチームラボの仕事には、意外な共通点があるという面白い話を、聞いてしまいました。ぜひお話いただけませんか。
それ、余談すぎませんか??(苦笑)。
‐大切です!
えー・・・わかりました。2年前に結婚したのですが、本当に忙しい時期だったので、両親への挨拶~結婚式までを無事に乗り越えるために、PMで普段使っているような段取りスケジュールに引いたんです。そうしたらなんと、どんな狂いもなく、当日を迎えられた。PMやっててよかったと、思いました。結婚後も、コスト管理表をベースに家計簿を付けてみたりとか、仕事のスキルは家庭にさえも還元できると気がついてしまった。
‐チームラボ、プライベートにさえ役に立ちすぎですね!
ええ。正直、いいのか悪いのか・・・。