一ノ瀬優希が単独首位

　▽２３日、鹿児島県・鹿児島高牧ＣＣ（６３４６ヤード、パー７２）▽晴れ、気温１８・３度、風速２・５メートル▽賞金総額７０００万円、優勝１２６０万円▽１０８選手（うちアマ４人）▽観衆３８１１人

　プロ７年目の一ノ瀬優希（２４）＝加賀電子＝が８バーディー、ノーボギーでコースレコードタイの６４をマーク。通算１２アンダーまで伸ばし、前日の５位から一気に単独首位に立った。故郷・熊本の人気ゆるキャラ、くまモンのように有名になるのが目標。９アンダーの２位に現在賞金ランクトップの森田理香子（２３）＝リコー＝がつけた。

　不動裕理、古閑美保、上田桃子に平瀬真由美。過去２０年でのべ１１人の賞金女王を生んできた女子ゴルフ王国・熊本から、新たなスター誕生の予感。「まだ目立っていない」と、意欲満々の一ノ瀬に、ようやく日の目を見る番が回ってきた。

　スタート直後の１、２番を２メートル、１・５メートルにつけ連続バーディー発進。さらに６、１３番で５メートルのパットを決めるなど、取りも取ったり８バーディー。「ショットがけっこう良かったので、自信を持ってプレーできた」と、大会コースレコードを更新だ。

　「落ち着け、と（自分に）言い聞かせた。大山（志保）さんに言われたスイングのポイントも…」。１月下旬から約１カ月間、米国アリゾナ州フェニックスでキャンプを張った際、一緒だった大山にスイングを見てもらった。当時は右方向へ力なく飛び出す打球に悩んでいたが「もっと腰を回転させてボールを打っていくように、と言われた。以来、自分の中では腰を切るイメージで振るようにしている」という。

　キャディーバッグには、ご当地ゆるキャラ、くまモンの巾着袋。「開幕前に熊本空港で買ってティーを入れてます。くまモン、応援に来てくれないかな」。２週前の開幕戦直前に３９度の発熱で前夜祭を欠席し、ツアー新規定による罰金３万円の適用第１号になってしまった。ちょっぴりケチがついたシーズンインだったが、体の回復とともにゴルフはエンジン全開。優勝して、くまモンのように名前を広めたい。　（月橋文美）