自民党の石破茂幹事長（５６）と、民主党の細野豪志幹事長（４１）という、２大政党のナンバー２が「受難の春」を迎えている。抜群の知名度を誇るが、党内での評判がイマイチだったり、醜聞を蒸し返されたりで、次の党首に担ごうという機運がなかなか高まらないのだ。
石破氏を囲む勉強会「さわらび会」が２１日、都内のホテルで懇談会を開き、新人議員４０人を含む約７０人が出席した。昨年９月の自民党総裁選では、党所属議員の支持の弱さが敗因とされたためか、石破氏は「政治の世界では信頼できる先輩、後輩を作るのが大切だ」とアピールした。
ただ、最近の石破氏は精彩を欠いている。衆院選挙制度改革やＴＰＰ（環太平洋戦略的経済連携協定）交渉への対応で、根回し不足や調整力不足が露呈しているのだ。
こうした中での派閥的動きに、ある派閥領袖は「支持率も高い安倍晋三政権下で対抗勢力とみられかねない動きをしたら、党全体にとってマイナスだ」と切り捨てた。
石破氏に近い無派閥の議員が、党内の派閥と同じ木曜昼に開いている「無派閥連絡会」も、出席者が約３０人で頭打ち状態といい、囲い込みは順調とはいえないようだ。
民主党の細野氏も選挙対策で失点があった。
今年夏の参院選で、労組アレルギーが強い日本維新の会やみんなの党と連携するため、１０日の記者会見で「連合依存体質から脱却しなければならない」と発言したのだ。
「日教組のドン」輿石東参院議員会長らの反発を受けて１５日、連合幹部に謝罪したうえ、党内分裂を引き起こしかねない小沢一郎代表率いる生活の党との連携を先輩議員に迫られるなど、辛い立場に立たされている。
過去の不倫疑惑が再注目されかねない事態も。
路チューを写真週刊誌にスッパ抜かれた相手、中西モナ（３７、旧姓・山本）のタレント復帰が２１日に決まったのだ。インターネットの掲示板には「細野のコメントはまだか」「モナ男参院選ピンチだな」との書き込みが見られた。
政治ジャーナリストの角谷浩一氏は「安倍劇場に脇役はいらない、ということではないか。政策や人事を官邸が主導し、安倍首相らが自らネットで情報発信をしている。与野党ともに幹事長には遅れた情報しかない。幹事長はいまや目立たないハズレのポストだ。石破、細野両氏とも汗をかいて、力を蓄えるしかない」と話している。