【立川ダービー】深谷バンクレコード！決勝単騎も完全Ｖ狙う

準決勝１０Ｒ。８番手の苦しい展開をバンクレコードの上がりタイムで乗りきった１番車の深谷

　◆第６６回日本選手権競輪Ｇ１・５日目（立川ダービー＝２３日・立川競輪）　決勝戦は２４日、激戦を勝ち抜いた９選手によって優勝賞金６０００万円（副賞含む）と「ＫＥＩＲＩＮグランプリ２０１３」（１２月３０日・立川競輪場）の出場権をかけて争われる。準決勝１０Ｒで上がりタイム１０秒６のバンクレコードを叩きだした深谷知広がＶ最短。グランドスラム（全冠制覇）がかかる山崎芳仁は、北日本５人がそろい、数の上では有利な展開となる。魂の走りで勝ち上がった「ＫＥＩＲＩＮグランプリ２０１２」チャンピオンの村上義弘、昨年のＭＶＰ・武田豊樹も差はなく、白熱したレースとなりそう。

　検車場がどよめいた。準決１０Ｒは絶体絶命の８番手。最終バックも一本棒の態勢でいくら深谷でもこれでは…と見ている誰もが感じていたからだった。

　直線、白い弾丸が突き抜けた。上がりタイムはバンクレコードを０秒３上回る１０秒６。ゴールでは２着の牛山に半車身差をつけていた。いいようのない雰囲気がその場の選手たちを覆う。

　それでも引き揚げて来た深谷に笑顔はなかった。「感じは悪くないんですけど浅井さんに迷惑をかけて…、それが反省点。最近ラインで決まってないんで」とさえない表情で振り返り、バンクレコードだと聞かされても、「まあ後方から追い込んでのものだから。それよりもっと早く仕掛けないといけない」と反省の言葉に終始した。

　これで今大会３連勝。８６年の滝沢正光以来、史上８度目のダービー完全制覇がかかった。「決勝はもっと厳しくなると思う。気持ちを引き締めていく」と宣言した。