◇巨人6−2楽天
巨人の新人菅野はテンポよく投げ、4イニング2安打無失点と順調な仕上がりぶりだった。打線は2回に高橋由が2ラン、ボウカーも2二塁打と存在感を示した。楽天の田中は3番手でオープン戦初登板し、3イニング無失点、5三振を奪った。
スーパールーキーがゼロ封締めで出撃準備を整えた。巨人のドラフト1位菅野(東海大)はオープン戦最後の登板で4イニング2安打無失点の快投。30日の広島戦(東京ドーム)とみられるデビュー戦へ弾みをつけた。
立ち上がりのピンチに非凡さがのぞいた。1回、藤田、銀次に連打され1死一、三塁。ここで迎えたのはメジャー通算434発のジョーンズ。併殺狙いで内角を攻めきり、143キロの真っすぐで力のない遊直に仕留めた。
「初回が自分の中でキーポイントだった。あそこで点を取られてズルズルいくか、しっかり締められるか」。続くマギーも「一番リスクが少ないのは三振だと思っていた」という言葉どおり、追い込んでからのフォークで注文どおりの空振り三振を奪ってみせた。
阿部との初コンビもさえた。2回の松井の打席では8球連続の真っすぐで押すなど大胆な配球にもチャレンジ。阿部が「思ったよりも良かった。器用なピッチャーだよ」と言えば、川口投手総合コーチも「何も心配していない。慎之助のリードに対する安心感を持っているね」と語るなど、しっかり信頼を勝ち取った。
6イニング2安打無失点だった14日の広島戦(マツダ)に続く快投で、オープン戦は11イニング連続無失点でフィニッシュ。「ボールが高かったし、調子自体はそんなによくなかったけど、その中でゼロに抑えられたのは自信になる」と菅野。開幕第2戦に設定された初陣へ、準備は万端だ。
即戦力ルーキーが加わったチームはV2に向け視界良好。WBCで主力7人を欠きながら、1試合を残して1999年以来14年ぶりのオープン戦勝率1位を決めた。2位中日に10・5ゲーム差をつけた昨季からさらにパワーアップ。王者として、堂々とペナントに挑む。 (臼杵秀之)
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