自殺は体罰が原因 19年後に認める3月21日 4時7分
19年前の平成6年、教師から体罰を受けたあと自殺した兵庫県たつの市の当時小学6年生の男子児童について、市の教育委員会が、事故死としたこれまでの報告書を今月になって修正し、両親の訴えどおり、自殺は体罰が原因だったと認めたことが分かりました。
当時小学6年生だった兵庫県たつの市の内海平君は、平成6年9月、担任の教師から体罰を受けたあと自宅の裏山で自殺し、遺族が損害賠償を求めた裁判でも体罰が原因と認められましたが、市の教育委員会は「学校の管理外での事故死だった」とする報告書をまとめ、その後も訂正はしていませんでした。
しかし19日、たつの市の教育長が両親に面会し、報告書の内容を事故死から自殺に修正したと伝えたうえで、教師の体罰が原因だったと初めて認めたことが分かりました。
これについて苅尾昌典教育長はNHKの取材に対し「体罰やいじめによる子どもの自殺が大きな社会問題となり、正面から向き合うべきだと考えた」と話しています。
平君の父親の内海千春さんは「19年間訴えてきたことがやっと結果を生んだと感じます。学校や行政は、子どもの自殺に正直に向き合い、再発防止に努めてほしい」と話しています。
子どもの自殺で食い違う見解
小中学校や高校の児童・生徒の自殺を巡っては、警察庁がまとめた平成23年の人数が353人だったのに対し、文部科学省が平成23年度、全国の教育委員会から報告を受けてまとめた数字は200人と153人も少なく、例年、大きな開きがあります。
これについて遺族の間からは、学校や教育委員会が子どもの自殺を認めたがらない体質が背景にあると指摘する声が上がっていました。
この問題は国会の質問でも取り上げられ、文部科学省は、警察庁などと連携してできるだけ正確な数字を把握できるよう、統計の取り方の見直しを検討しています。
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