たつのの小6自殺:小学生体罰自殺 市教育長、釈明に終始 19年後の謝罪、父「一歩前進」 /兵庫

毎日新聞 2013年03月22日 地方版

 19年かけてやっと謝罪−−。たつの市立揖西(いっさい)西小6年生だった内海平(たいら)君の自殺を「体罰が起因した自殺」と認め、両親に謝罪したうえ、文科省に訂正を求めたことについて市教委の苅尾昌典教育長が21日、記者会見した。事件が起きた94年9月から約19年。初めての謝罪に至る経緯についてはあいまいな説明に終始した。【小泉邦夫】

 会見で苅尾教育長は、00年1月に裁判結果が出て、控訴しておらず、「この次点で自殺の原因は体罰に起因する」と認識していたが、国に報告した統計が「変更できるとは知らなかった」と釈明。

 平君の自殺を「管理外の事故死」としていたが、今年2月上旬に「訂正できることを知った」とし、2月22日に開いた教育委員会で「(事故死を体罰に起因した自殺と)直せるのなら直した方よい」との意見でまとまり、修正することにしたという。また、「修正したのは大津市のいじめ自殺や大阪市立桜宮高の体罰自殺も背景にある」と説明した。

 修正が敗訴判決から13年間もかかったことについて「民事裁判で控訴しなかったことで、市教委が体罰による自殺と認識していることが理解されていると思った」「修正する必要があれば上部機関(国や県教委)から何らかの指示があるものと思っていた」とした。

 一方、両親には平君が(体罰が原因で)亡くなったことを謝罪したうえ「長い間、事故死と(国に)報告していたが、修正の文書を出しました」と19日に自宅を訪ねて謝罪のうえ、報告したという。

   ◇

 教師でもある父親の千春さん(54)は毎日新聞の取材に対し、「教育長は19日に自宅を訪れ、約1時間話し合う中で『すみませんでした』と頭を下げた。この19年間での世論の変化(が要因)だろう。いじめはこれまで家庭問題などに矮小(わいしょう)化され、一歩前進だ。しかし、これは終わりではなく始まり」と話した。【渕脇直樹】

〔播磨・姫路版〕

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