できごと【衝撃事件の核心】追い返した相談者になりすまして生活保護330万円ネコババ…橿原市不良職員の悪辣すぎる「犯罪」+(1/4ページ)(2013.3.23 12:00

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できごと

【衝撃事件の核心】
追い返した相談者になりすまして生活保護330万円ネコババ…橿原市不良職員の悪辣すぎる「犯罪」

2013.3.23 12:00 (1/4ページ)westセレクト
担当者による生活保護費の不正受給が発覚し、謝罪する奈良県橿原市の幹部ら=3月1日、橿原市役所

担当者による生活保護費の不正受給が発覚し、謝罪する奈良県橿原市の幹部ら=3月1日、橿原市役所

 生活保護受給の相談に訪れた女性を追い返しながら、担当職員がその女性になりすまして約330万円の保護費を不正受給するという前代未聞の事件が奈良県橿原市で起きた。生活保護をめぐるさまざまな問題が明るみに出る中、不正を水際で見破って食い止めるのも職員に課せられた責務だが、懲戒免職となり、奈良県警に逮捕された橿原市の職員は逆に、知り尽くした制度の「盲点」をつき、担当者にしかできない手口で犯行に及んでいた。(西家尚彦)

切実相談を「金」に

 平成22年8月、橿原市役所に60代の女性が生活保護の相談に訪れた。この女性は当時、市内の墓地近くに止めたマイカーの車内で連日寝泊まりしていた。

 対応したのは、当時橿原市生活福祉課課長補佐だった高岡一彦容疑者(53)だった。

 高岡容疑者は女性の相談につれなかった。「マイカーの所有は資産にあたる。早急に売らなければ、生活保護費は支給されない」などと指摘した。自宅代わりの車が、当時の女性にとって“命綱”と知りながら事実上、受給は困難と説明して追い返したのだ。

 ところが、高岡容疑者はこの後、信じられない行動に出た。

 女性の名前や詳しい経歴などを聞き出していた高岡容疑者は、この女性になりすまし、女性の本籍がある奈良市内に住むための生活保護申請書をはじめ、自立するための目標を設定する自立更生計画書など必要な書類6点全部を虚偽記載で作成した。

 さらに、女性と同名の印鑑も購入、偽造書類一式を申請した。結果、この年の9月から、不正が発覚する今年1月分までの約2年半にわたり生活保護費計約330万円を不正受給し続けたという。

異例の「引き継ぎ」

 高岡容疑者の不正受給が発覚したきっかけは、昨年4月の健康増進課への人事異動だった。

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