イスラエル:首相がトルコ首相に電話 支援船襲撃を謝罪
毎日新聞 2013年03月23日 11時17分(最終更新 03月23日 12時47分)
【エルサレム花岡洋二】イスラエルのネタニヤフ首相は22日、トルコのエルドアン首相に電話し、トルコ人活動家ら9人がイスラエル軍に殺された10年5月のガザ支援船襲撃事件について謝罪した。電話協議はイスラエル訪問中のオバマ米大統領の仲介で実現し、ほぼ断絶していた両国関係が修復される第一歩となりそうだ。
元々は中東の非アラブ国として良好な関係にあったトルコとイスラエルは、事件を機に外交と経済、軍の関係をほぼ断絶。中東情勢の安定を望む米国にとって、同盟国でもある両国の関係悪化は大きな懸案だった。しかし、シリアが内戦状態に陥り、国境を接する両国の間で安全保障上の観点から関係修復を望む兆しがあった。
イスラエル首相府の声明によると、ネタニヤフ首相は電話で、軍の作戦遂行上のミスでトルコ人を殺害したことを謝罪した。また、関係悪化について遺憾の意を表し、関係改善を通じて中東に平和と安定をもたらす決意を述べた。
AP通信によると、エルドアン首相は謝罪を受け入れ、イスラエルが遺族へ補償金を払い、兵士らを免責することに合意した。
事件は、パレスチナ自治区ガザへ支援物資を届けようとした船をイスラエル軍が阻止した際に起きた。トルコは、謝罪と補償、ガザ封鎖解除を関係回復の条件に挙げていた。イスラエルはガザ封鎖を解除していないが、物資搬入の条件を緩和している。