「毎日毎日、必死で生きていかないと、舞台では必ず失敗する!」
「何か大変なことが起こったら、絶対に前に進んでやる、と思える自分がいる!」
女優、米倉涼子がインタビューで、このように語っていました。
プロ魂を彷彿(ほうふつ)とさせる言葉です。
毎日を必死で生きていないと、どれだけ繰り返した舞台でも、そのどこかに落とし穴があり、そこに怖さがあることを知っているからこその実感なのだと思います。
慣れることの凄さともろさを知って、真のプロが出来上がります。
この両刃の剣を、絶対に前に進んでみせるという気概でしっかりと持って、毎日毎日を真剣に生きようとする姿勢に、降りてくる何かが自分を突き動かして、名優となるのです。
ひとたび名優が舞台で舞えば、その立ち居振る舞いや一挙手一投足が、観る者を釘付けにして、その時間を魅了するのです。
真実のプロは、その舞台のどこかで必ず宇宙とつながります。
宇宙とつながることが出来れば、あとは何も考える必要はありません。
それが、その域における自然体だからです。
舞台という日々を真剣勝負で演じるときの、「ああ、生きている!」という実感こそが、魂のご馳走に違いありません。
その実感は、真剣に1日1日を生きるのだという、コミットメントのなかにしかありません。
一つの事に、慣れて慣れない!
真剣勝負の生きざまが、ここにあります。