自分が自分の内側で負けていなければ、何が起きても跳ね返すことができます。
大切なことは、いま自分に起きていることを、自分がどのようにとらえているかです。
他人が、どう思っているかではありません。
出来事や状況や事情それ自体には、さほどの意味はないからです。
そうした様々な出来事に、意味を付けるのは他ならぬ自分だけです。
要は自分自身の心、即ち魂が折れていなければ、それ以外は何の問題もないということです。
人生は、意図的に攻略しようとしなければ、思わぬところで牙をむいて襲いかかってきます。
その時、何よりも恐ろしいことは、心に錯覚を起こすことです。
その錯覚とは、ありもしないことを根拠にすえて自滅していくことです。
ありもしないこと。
それは、他人からどう見られているかという妄想です。
こうしたことが、自分という人間の主導権を、自ら放棄することにつながっていきます。
少し、ストイックで自虐的な言い方をすれば、今まで大したこともしてきていないのに、そんな自分に自分が自分を思うほど注目している他人などいるはずがないのです。
考え過ぎ!
そうです。
いちいち考え過ぎです。
考え過ぎて、益々他人にどう思われているのかを気にして、その挙げ句に自分がいま集中すべきことから離れていく!
そして、どんどん変になっていくのです。
勝負の時には、考えてはなりません。
考えるのは、勝負する前だけです。
しっかり考えたら、後は考えない。
勝負するその時に、考えたら負け!
考えなければ敵なし、と心得ましょう。
息がつまってきたら、無になるのです。
「お前が消えて喜ぶ者に、お前のオールを任せるな!」
中島みゆきは、こう歌いました。
他人はあなたのことを、あなたが考えているほど思ってなどいません。
要するに、あなたを四六時中見ている暇など無いということです。
人生を劇的に切り開く鍵は、集中力以外にありません。
自分が、今やるべきことに集中する!
余事に、余念をはさんではいけません。
大切なのは、自分の根本にある精神です。
一時的な勝ち負けに翻弄(ほんろう)されて、ましてや自分の人生に関係のない人たちの気まぐれな心理に振り回されて、そこに自分の生き方などあるはずがありません。
自分を証明するものは、自分自身です。
心さえ折れなければ、それ以外の現象や出来事は一切関係ありません。
人が滅び去る前兆は、例外なく心の内側から始まること忘れてはなりません。