人間の真価は、追い込まれたときの態度に現れます。
追い込まれたときこそ、下っ腹に力を溜めて気を吐くのです。
起きてしまったことは、どうあがいても取り返しはつきません。
月並みな言葉で言えば、切り替えていくしかないのです。
冷静になりましょう。
冷静な決断をする自分に戻るよう、自分の心を誘導するのです。
追い込まれたといって、自分を支えてくれている人が見えなくなって、パニックになり取り乱す者を愚か者といいます。
かく言う僕も、昔勤めていた企業で大変なミスをしてしまい、もうこれでサラリーマン人生で出世することは駄目かと思ったことがあります。
しかし今冷静に振り返れば、それは全然大変なミスではありませんでした。
本当に大変だったのは、狼狽(うろた)えて自分の人生の一部分でしかないことを、顕微鏡のような視覚でしか見れなくなっていた、縮んでゆく自分の精神状態だったのです。
その時僕に烈火の如く怒った上司は、あれほど熱く会社への思いを語ったにも関わらず、とうの昔に会社を止め、今となってはその会社自体が消滅してしまいました。
追い込まれたときは、修行の時です。
追い込まれたときほど、態度が大切なのです。
タイヘン、タイヘンと取り乱して、小者ぶりを発揮するのか。
今こそ大きく変わるときとその大変を解釈して、未来の大器を予感させる人物へと成長する為の礎(いしずえ)とするか。
追い込まれたときほど、潔く自らが置かれた状況と勝負しましょう。
対処するのではありません。
勝負するのです。
心が引いていたり、逆に調子に乗っていたから追い込まれたのだということを忘れてはいけません。
人生と戦う者に行き詰まりはありません。
困難なときほど、勝負する気持ち、戦う精神を忘れない。
非常時に対処していたら、全てが追い付かないのです。