米粉加工・品質管理技術
上新粉などで作られたパンを食べたことのある人は、「膨らまない」「すぐ硬くなる」などの印象を持っているのではないでしょうか。
今、米粉でつくられたパンは、粉の工夫、配合するグルテンの工夫、そして、それを実際に消費者に届けるまでの品質管理における工夫を通して「食べられるもの」から「おいしいもの」へと変貌を遂げてきました。こうした変化を支えるいくつかの技術を紹介します。
製パン方法
- 米粉には、小麦粉でパンを焼く際、ふくらみに重要な役割を果たすグルテンが含まれていません。そこで、米粉パンを焼く場合、グルテンの役割を補うものが必要となります。
- 一番単純な方法が、グルテンを含む小麦を主体として、そこに米粉を混ぜて製パンする方法です。この場合、米粉が20%程度までであれば、小麦粉でパンをつくる延長として製パンすることができます。米粉の方が、小麦より給水率が高いため、水分量などを調節する必要があります。
- 次に単純な方法としては、小麦粉からタンパク質だけを取り出した粉(約8割がグルテニンとグリアジン)を混ぜる方法があります。強力粉と同じように12%程度以上のグルテンを加えるため、15%以上の小麦タンパク質と米粉を混ぜて製パンします。
- グルテンと同じ働きを補うものとして、増粘多糖類(グアガムなど)を添加する方法があり、これは、欧米でも主に小麦アレルギーの人にも食べられるパンをつくる技術として研究されたものです。
- 本当に、米粉100%の究極の米粉パンとして、米粉のα化(粘性がでる)を利用して製パンする方法も研究されています。
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