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知事への提案

【回答日】 2013年1月15日
対馬への修学旅行奨励のお願い
【県民の声】
 昨今、中国や韓国への修学旅行が問題となっておりますが、対馬への修学旅行の奨励をお願いします。

 明治時代より、我が国では、学校教育の一環として修学旅行が実施されてまいりました。近年では、「平和教育」の名のもとで、中国や韓国を訪問する学校もあり、近現代史に縁のある博物館や史跡をめぐるスケジュールが組まれているそうです。

 しかし、両国は、長年にわたり反日教育を実施しており、修学旅行が、捏造や誇張の混じる自国中心の「歴史認識」を日本人生徒に植え付けるための、対日洗脳プログラムへの参加となる怖れがあります。両国における治安や衛生問題に加え、領土をめぐる緊張が高まる折、こうした懸念を考慮しますと、中国や韓国は、修学旅行先として適切とは思えません。

 この点、交通の要衝でもあった対馬は、貴重な学びの場となります。大陸・半島と一衣帯水にある対馬の歴史は波乱に富み、幾度となく、国家的な危機をくぐり抜けてきたからです。対馬は、『日本書紀』や『古事記』において、国産みの段にその名が見え、最古の遺跡は、縄文時代に遡ります。白村江の戦いの後に建築された金田城、元寇の激戦地跡、朝鮮出兵の兵站基地であった清水山城、明治期に対露防衛のために建造された対馬要塞など、激動の歴史を偲ぶ遺跡は枚挙に遑がありません。

 また、古来、対馬は、新羅からの朝貢使節と日本国からの遣新羅使とが行き交う地であり、室町時代に始まる朝鮮通信使も、対馬を寄港地として京都や江戸に向かっています。中継貿易で栄えた対馬藩は、江戸期には、李氏朝鮮との外交や通商の窓口ともなりました。そして、現在、対馬には、陸上自衛隊の対馬駐屯地が置かれ、我が国の西の国境を守っております。

 面積は、700平方キロメートルに過ぎませんが、島内の遺跡や史跡、寺社仏閣を一巡するだけで、諸外国との関係の光と影を踏まえつつ、日本国の歴史の歩みを再確認することができます。中国や韓国への修学旅行から学ぶ歴史は、両国が歴史の一面を恣意的に切り取りとって主観的に脚色したものに過ぎませんが、対馬が包摂する歴史は重層的であり、訪れる者に、歴史を多面的に考える機会を与えてくれます。

 対馬へ修学旅行に行く学校が増加すれば、疲弊している対馬経済も、韓国からの観光客頼りから脱却することができます。日本国の生徒や学生に対する教育効果、並びに、国境の島である対馬を守るためにも、修学旅行先として、ぜひ、対馬を奨励してください。


【知事の回答】
 このたび、対馬への修学旅行を奨励してほしい、とのメールをいただきました。
 まずは、修学旅行に関して、県教育委員会に聞いてみましたので、こちらの回答をご覧ください。

(県教育委員会からの回答)
 修学旅行は、学習指導要領において、特別活動における旅行(遠足)・集団宿泊的行事として位置付けられており、御提案のとおり「貴重な学びの場」となっています。

 そこで、佐賀県では県立学校については、「佐賀県立学校の修学旅行に関する実施基準」において、修学旅行の目的地について次のように定めています。

〇目的地については、学校の教育目標に沿い、かつ、修学旅行の教育的意義を達成できる地域とする。

 この基準をもとに、各学校では実施の1〜2年前から各学校の保護者等の意見も聞きながら「校内検討委員会」等で検討を重ね、最終的には校長が判断し、県教育委員会に申請することとなっています。このように目的地の選定や活動内容の決定は各学校が主体的に行っております。

 市町立の小中学校については、市町教育委員会が所管していますが、修学旅行についての考え方や届け出のシステムは県立学校とほぼ同じです。

 現在、佐賀県内の公立小学校・中学校・高等学校の修学旅行の目的地は全て国内となっており、例えば、県立高等学校では北海道方面、中学校では近畿方面を目的地とする学校が多いようです。

 修学旅行の在り方については、特定の地域を最初から排除することなく、修学旅行の教育的意義を達成できるよう、目的地、日程、内容等について、各学校が幅広く情報を収集しながら行っておりますので、まずは、対馬のPR、御提案等、各学校に検討する情報を提供していただければと思います。

 教育委員会としては、それを踏まえて、今後も各学校が主体的に教育目標に沿って計画・実施することが望ましいと考えています。

 以上が、県教育委員会からの回答です。

 修学旅行の行き先については、教育目標等に従って、各学校が主体的に決めているとのことでしたが、それはそうだろうなと私も思います。
 
 まず、知事である私から県教育委員会に対して、特定の地域に行くように働きかけることはできませんし、それ以前に、教育の在り方として、何を目的としてどこに行くか、知事ではなく学校が中心となって保護者と連携しながら考えて決定すべきことです。

 また、現在、県内の学校の修学旅行の行き先としては、中国や韓国が選ばれているわけではありませんが、国際交流の基本的な考え方として、国レベルである種の緊張関係が発生したとしても、県や市町、あるいは民間の活動などの地域間の関係においては、相互理解を深めて将来の交流につながるように、地道に人と人との交流を中心に進めていきたいと考えております。

 【関係課】
 県教育委員会 学校教育課
 TEL:0952-25-7227
 E-mail:gakkoukyouiku@pref.saga.lg.jp

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