【レポート】
関西民放大手の朝日放送は電通と共同で、スポンサー広告商品の露出を番組本編内に融合させたドラマを作成、放映した。70年代の米国映画業界から始まったとされる「プロダクト・プレイスメント」の手法だが、この事例では脚本の段階から製品を想定して作っていくことで自然な流れを損なわずに商品を露出させることを目指したという。
放送された番組は3月10日の24:30~放送された「H-code(ハンターコード) Spacial」。同局で1月から土曜24:30からの30分番組として全8話が放送された深夜ドラマ「H-code(ハンターコード)-愛しき賞金稼ぎ-」の特別編となるものだ。
「H-code(ハンターコード)-愛しき賞金稼ぎ-」
物語の舞台は渾沌とした近未来都市、ネオ・オオサカ。主人公は腕の立つ賞金稼ぎ(バウンティハンター)で、周囲からは"J"と呼ばれる謎めいた男。彼は、バウンティハンターに与えられる資格、通称「H-code(ハンターコード)・J」の称号を持つことから"J"と呼ばれている。タフで頭脳明晰、常にクールで女にモテる色気とカリスマ的魅力をもつヒーロー。現在は、賞金首がアップされるサイト「WANTED.NET」で賞金ランキングトップの"テラー"をターゲットにしている。だが、テラーは正体不明の人物で、Jはテラーを捜しながら悪党を追い詰める日々……。
そんなJの前に、未来が見えるという特殊な能力をもつ美女、西木戸レナが現れたことから、Jは思わぬ騒動に巻き込まれていく。果たしてテラーの正体とは? そしてレナの目的は? Jはテラーを捕まえることができるのか? 全ての謎は、レナが予知した「その日」、明らかになる……
特別編では本編から2年さかのぼり、主人公Jの過去やシリーズ編で登場した人物たちとの関係などが描かれた。
ドラマの企画段階からスポンサー企業を募り、トヨタ自動車とサントリー、ソニーマーケティングの3社が協賛した。
例えば、トヨタ自動車では「ブレイド」が登場している。メインコピーにある「おとなしくない、大人に」という言葉のように、大人向けの上質さを保ちながらアクティブに走ることをコンセプトとしたクルマだ。これが例えばコメディタッチの刑事物ドラマであったら、だいぶ違った選択になっただろう。
また、シリーズ編の中でも主人公の部屋に薄型テレビが掛けられていたり、缶コーヒーのベンダーが置かれているなど、特別編への伏線としてプロダクト・プレイスメントが行われており、シリーズ編から続いたストーリーの厚みにより、視聴者の共感をより高めることを試みたという。
同作品は視聴者からの反響が非常に大きく、公式サイトのBBSには再放送を望む声も多く寄せられた。DVD化も決定、今夏発売予定となっている。
米国では巨大な広告市場になっているというプロダクト・プレイスメントだが、日本の映画・ドラマ・アニメやゲームなどでもすでに多く取り入れられている。テレビ業界では特に深刻な「CM離れ」が背景にあると考えられる。野村総研が2005年に実施した調査によると、HDR(ハードディスク・レコーダー)に録画した番組を見る際に、過半数の人が8割以上のCMをスキップしているという。
プロダクト・プレイスメントは広告をコンテンツに融合させることで、確実に視聴者の目に入るという状況を確保できる。一方で、本編の展開に対して不自然な流れで商品が露出されると逆に商品の印象を損なったり、"いかにも広告"というカットが入ることで作品に違和感が生じる懸念も指摘されている。
しかし、ライダーベルトや超合金にはじまり、「芸能人が昨日の番組で着ていた服」が完売するなど、テレビによるプロモーション効果に対しては敏感な下地がある日本。さらに、企画自体がプロモーションとも言えるOVA「FREEDOM」や、「ファイナルファンタジーXII」の"ポーション"の事例(逆プロダクト・プレイスメントと言うべきか)など、派生的といえる事例も多く、広告手法として今後の可能性は大きいと言えるだろう。
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