2008年04月25日

プロダクトプレイスメント ― 映画やTVにおける商品広告の置きどころ


www.youtube.com/watch?v=_3HxdtD4zRc(1分)
おおおおっ、と目を丸くしてしまう、スイスのアイスクリーム「ミグロス(Migros)」のCMだ。これは問題作。流すとしても深夜番組の時間帯であろうか。これを見て売上が上がるとすれば、購買者は女性だろうか、男性だろうか。あるいは不快感を誘発し、スイスに旅行したあなたは、ミグロスだけは避けてしまうだろうか。

広告は誰を対象に、どこに落とし込むのか、マーケティング担当者はいつも策を練っている。このようなCMが仮に大当たりの力作だとしても、ビデオ録画の「CMスキップ機能」を使われると日の目を見ることはない。

そこで最近活発になっているのが、映画やTV番組の中にさりげなく(あるいは露骨に)商品を挿入する「プロダクトプレイスメント(Product Placement)」という手法だ。この起源、源流については、いろいろと言いたい人がいる。

  • ジャパニメーションの金字塔「AKIRA:アキラ」。「AKIRA:アキラ」はプロダクトプレイスメントの先駆者的存在でもあったと思います。金田の赤いバイクに貼り付けられたステッカー。「成田山」「Canon」「SHOEI」「HONDA」「CITIZEN」「Arai」「BMW」・・・は印象に残っています。思えばこれが「プロダクトプレイスメント」だったのか・・・と。(ソース:2006/10/21)
  • 1966年のアニメ「ハリスの旋風」だ。主人公石田国松の通う学校の名「ハリス学園」が、提供するハリス製菓からとられていただけでなく、毎回国松がガムをかむシーンがあったのだ。(ソース:2004/11/10)
  • 実際に用いられた最初のPPはスティーブン・スピルバーグ監督の「E.T.」。作中で、少女がE.T.にチョコレートキャンディをあげるシーンだと言われている。(ソース:2006/9/16)
  • 初めてPPを起用した映画は1951年の名作アフリカの女王 だったと言われている。キャサリン・ヘップバーン扮するローズが、チャーリー(ハンフリー・ボガート)のGordon's Dry Ginのボトルを投げるシーンがそれである。(2005/5/31)

    こういう商品広告はさりげないうちはいいが「わざとらしく」なると逆効果になる。

    立てば困惑座れば欺瞞歩く姿は木瓜の花(2005/5/31)
    数週間前テレビでトム・ハンクス主演映画キャスト・アウェイ をやっていた。他に何もやっていなかったので何気なく観ていたが、最初の10分くらいで嫌気が差し、私はテレビを消した。内容に興味がなかったというのもあるが、何よりも癪にさわったのが、映画中のしつこいFedExの宣伝である。ご存知ない方のために少し説明するが、この映画はFedExのビジネスマン(ハンクス)が飛行機事故にあい、無人島で遭難してしまうというストーリーである。

    あーらら、こーらら、けーしちゃった、けーしちゃった。このブログ主のジョークは結構面白いので、以下にも引用。

    中でも際立って酷いのが007シリーズのダイ・アナザー・デイ 。この映画で007はBritish Airwaysの飛行機に乗り、Omega腕時計を付け、Samsoniteのスーツケースを持ち、Sonyのコンピューターを使い、アストンマーティン車を運転する。映画というより2時間CMを観ているようである。<中略>とにかくしつこいPPのせいで観るに耐えない作品に仕上がってしまっている。これじゃジェームス・ボンド改め,「商業主義を愛したスパイ」である。ゴールデンアイ なんかじゃなくて「ゴールデンアド」である。ダイ・アナザー・デイ じゃなくて「バイ・アナザー・デイ」である。ロシアより愛をこめて じゃなくて・・・ヽ(゜Д゜ )モウイイカラ。

    そもそも007シリーズ自体が、英諜報部MI6のイメージをよくする宣伝小説・映画だからね。で、消費者はこういう「わざとらしさ」に気づき始めているので、最近の映画『ダージリン急行』のように、居直りの露骨一色の路線もある。ルイヴィトンと全面的にタイアップしたこの映画では、プレイスメントどころか、ルイヴィトンの高級カバンが“主人公”だ。

    もう1つのトレンドは、毎回同じセッティングのスタジオショーやドタバタ系コメディに、特定の商品をさりげなく置いておくこと。さらにそれをCGで編集すること。つまり、動きのない置物商品の場合は、あとから編集して画像を貼るだけでいい、ということだ。

    マスコミの記事で警戒するべきは、いわゆるタイアップ記事がいっぱいあって、「1つの事例として・・・」と具体名で書かれるときは、しっかりとタイアップであったりする。これを「プロダクトプレイスメント記事」とでも呼んでおこう。

    ともあれ、広告における商品の置きどころは、消費者にとっても非常にセンシティブで、「いかにも」の匂いがプンプンだったりするので、お気をつけあそばせ。


    ■おまけ:「逆プロダクトプレイスメント」というのもある (2007/4/12)
    TVでパブリシティが出ていたが、「顔がいのちの〜♪」のCMでお馴染みの株式会社吉徳より、映画「スターウォーズ」に登場するダース・ベイダーの鎧飾りが発売されている。映画の中に登場した現実にはないアイテムを商品化することを「リバース・プロダクト・プレイスメント」というらしい。
  • posted by ヒロさん at 20:23 | Comment(10) | TrackBack(0) | 報道・メディア論
    この記事へのコメント
    TITLE: 特撮だけど
    久々にコメントを寄せられる記事ですね。

    >PP
    「ハリスの旋風」よりずっと前に、「ナショナルキッド」
    という特撮番組があって、当然のことながら松下電器が単独スポンサーです。
    リンク先にあるタイトルロゴもいかにも松下な感じですし、劇中のエロルヤ
    光線銃も松下の懐中電灯がベースです。
    その前に放映されていた故・川内康範原作の「アラーの使者」もカバヤが
    スポンサーだったために主人公のネーミングが主力商品名が由来になっています。

    ちなみに、三菱電機1社提供の「テレビ探偵団」では長らく「ナショナルキッド」
    は「大人の事情」で放送されなかったようです。

    >「プロダクトプレイスメント記事」
    憲法9条関連の記事に東大教授の肩書きで小森陽一氏(9条の会事務局長)が
    コメントを出すようなものですね。
    Posted by haruhico at 2008年04月25日 23:48
    TITLE: ナショナリスト・キッドのharuhicoさん
    >久々にコメントを寄せられる記事ですね。(haruhicoさん)
    久々に「ハルヒコ・プレイスメント」が可能な、レベルの高い記事ですねぇ。
    「ハリスの旋風」の前は、「ナショナルキッド」、さらにその前は「アラーの使者」とは、さすが戦中派のハルヒコさんでなければ突っ込めませんねぇ。

    >憲法9条関連の記事に東大教授の肩書きで小森陽一氏(9条の会事務局長)が
    >コメントを出すようなものですね。
    ん? これは売り込むのはどっちだ? 憲法9条か、それとも落ち目の小森陽一か?
    Posted by Hiro-san★ブログ主 at 2008年04月26日 00:19
    TITLE: おたずねします
    はじめまして、
    お尋ねします。上の半裸のグラマーの名前はなんと言いますか?

    日本でもこういうコマーシャルできるようになればいいですが、
    まず無理でしょうね。

    児童ポルノ禁止法なんてけちな法律作って
    利権確保しか考えない、警察やくざによるビジネスならば、
    わいせつ物陳列しても、おとがめない国ですから。

    つまり、それ以外のエロは何も認めないのでしょうから。

    それにしても金髪ねーちゃんの裸体は、どうして 健康さ>エロさ
    になるんでしょう?
    これが日本のだと、どうしても エロさ>健康さ
    になるんですよね。
    Posted by アンダー at 2008年04月27日 22:07
    TITLE: マデルはマリサ・ミラー
    http://sportsillustrated.cnn.com/features/2007_swimsuit/models/marisa_miller/07_marisa_miller_7.html
    ipodのヌード広告で話題になったモデルの名はマリサ・ミラー(Marisa Miller)。
    Posted by Hiro-san★ブログ主 at 2008年04月28日 01:11
    TITLE: 私Migros のアイスクリーム買います!
    因みに女性ですけど。^^
    日本で売っていれば、きっと買うと思います。

    これが理由ではないのですが、私も同じような経験したことがあるんです。
    一度は、アメリカで友達の女の子と車の中でバナナ食べていた時(何でバナナなど持っていたのか記憶なし)、近くを通った男の人たちが、意味ありげにニタッと笑って通り過ぎました。私たちは同時に思わず食べていたバナナに目をやりました。

    もう一つは、やはり車の中で姉が「私の髪の毛匂うかしら?」と聞かれたので、鼻を近づけて匂いを嗅ぎました。すると前に止まっていた車の運転手が振り向いて、やはりニタッと笑ってこちらを見ました。

    下の裸の女性は、(売ろうとする品物に目が向く前に)単純にきれいだなあ、と思ってしまいました。でもちょっと胸が大きすぎるかな・・。
    Posted by Sunny at 2008年04月28日 23:09
    TITLE: ありがとうございます
    抜群のグラマーの名前 教えてくれてありがとう!
    ところでヒロさん、イギリス在住ですよね。

    私の乏しい知識の中では、
    イギリスのkeeley Hazel嬢が世界No.1の美人と言われている、
    と言うことになっています(汗

    ところで、イギリス現地では、No.1の美女は
    誰、と言われてますか?
    もちろん、ミスインターナショナルとか、ミスユニバースとかで
    明らかにされるのとは別の、
    と言う意味です。
    ミスインターナショナルやミスユニバースって、
    トップレスにはならないですよね。
    Posted by アンダー at 2008年04月28日 23:57
    TITLE: モーウェンナ・リットン・コボルドはいかが?
    >ところで、イギリス現地では、No.1の美女は誰、と言われてますか?(アンダーさん)
    そんなを私に訊いてもダメですよ。Keeley Hazelも知らないんですから。

    >でもちょっと胸が大きすぎるかな・・。(Sunnyさん)
    http://images.google.co.uk/images?&q=keeley%20Hazel
    Keeley Hazelを調べてみましたけど、このお姉さんも胸が大きい。

    裸系の話はおしまいね。
    イギリスのファッション・モデルではMorwenna Lytton Cobboldがいいかなぁ。以下ご参照。
    http://morwenna.net
    Posted by Hiro-san★ブログ主 at 2008年04月29日 01:44
    TITLE: あーうー
    ファッションモデルですか・・。
    Cobboldさんのヌード見なければなんともいえないです・・。
    どうも裸系になってしまう私でした。

    だってマリサがあんまり魅力的だから・・。

    今度は裸系のコメントも可能なスレ作ってくださいませ。(ただし裸男祭は不可)
    だって魅力的なものは魅力的といいたいし、
    美しいものは美しい、と言いたいですし。
    性意識の差は比較文化論の中核になるんじゃないかとも思いますしね。

    あ、そういえば、Hazellでした。Lが一個足りませんでした。
    うううファン失格orz

    Hazell嬢は、サン3、つまりサン紙第3面を飾るグラマー なんですってね。
    それは今回調べてはじめて知りました。
    ヒロさんはサン紙は読まないんですか?
    日本でいえば、夕刊フジくらいの紙なんでしょうか?
    ヒロさんはガーディアンオンリーなんですか?
    Posted by アンダー at 2008年04月30日 23:49
    TITLE: ミグロ
    ミグロ(ミグロス)はアイスクリームの名前じゃなくて、
    大型食品店を核としたスイス最大の生活協同組合ですね。
    銀行や不動産仲介などもやってます。
    東京の都民生協のお手本になった組織です。
    PB商品の開発も早くから手掛けています。
    詳しくは岩波書店の「ミグロの冒険」をどうぞ。
    Posted by は〜 at 2008年06月03日 20:09
    TITLE: >ミグロ
    >ミグロ(ミグロス)はアイスクリームの名前じゃなくて、
    >大型食品店を核としたスイス最大の生活協同組合ですね。

    あら、そうなんですか!都民生協のお手本になったバリバリ生協だとか。生協のCMがここまでやるか!というやり手ですね。
    Posted by Hiro-san★ブログ主 at 2008年06月03日 21:40
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