1億積んでも欲しいと言われる人材の条件!ー会社が求めるバリューとは?
社長「君は?なにをしにここに来た?」
学生A「日向さんと、働きたくて」
社長「入社した時点で目的達成だな。君は指をくわえて見てろ」
「・・・君は?」
学生B「Next Innovationに入れば、何か新しいことができるから!」
社長「・・・・。ぷははははは!すごいな!我が社には、何か新しいことがごろごろ落ちているのか!落ちてない。その新しい何かを生み出せる人間に僕は給料を払うんだ。」
フジテレビ系列のドラマ「リッチマン,プアウーマン」でのワンシーンです。
時価総額3000億円のIT企業「Next Innovation」社長である日向徹(小栗旬)は、自社の会社説明会で学生とこのようなやり取りをしています。
まぁ現実でここまで露骨に学生を傷つける発言をする社長もいないでしょうが笑、しかしこの発言は真理だと思うのです。
私が就活生だったときに同じような質問をされたら、同じように答えていた気がします。
「会社説明会で何を質問すればいいか?」と考えたことはあなたもあるでしょう。
実はこの発想自体がナンセンスですが、当時の私の思考だと、
・「質問をしないよりした方が目立って有利だろう」
・「どんな質問をしたら一目置かれるだろう」
・「褒めれば良いかな?逆に問題点を指摘してみたらいいかな?」
といった、今こうして書くのも恥ずかしいくらい浅い思考で臨んでいました。
それくらい「就活」と言うものを近視眼的に見ていたのです。
日向徹のセリフのように、会社は「新しいことを生み出せる人間」ーつまりその会社にバリューをもたらす人間を求めているのです。
あなたの雇用を守るために採用するわけでも、あなたの生活を保証するために採用するわけでもありません。(もちろん社会的意義としてそういう側面はありますが、営利企業である限り、それが一義的な目的ではありません)
就活で重要なのは、会社の求めているバリューを理解し、あなたが発揮できるバリューをしっかりとプレゼンすることです。
本日は、そのための思考法について紹介します。
※タイトルの「億」というのは釣りですすみません。私自身「億」を積んでも欲しいと言われているわけではないのにおこがましいタイトルですみません。
会社があなたに求めていることの本質を知ろう
「そもそもなぜ会社はあなたを採用するのか?」「会社はあなたに何を求めているのか?」を真剣に考えたことはありますか?
これを深く考えずに、小手先のテクニックで会社に採用してもらおう、認めてもらおうと思っていては、就職を「運」と「縁」に任せるようなものです。
会社があなたを採用する理由は、会社の利益を拡大させるため。
求めているのは、「自らバリューを発揮し、会社に利益をもたらす人材」です。
「雇ってもらいたい」という発想が根付いてるうちは、魅力ある人材にはうつらないでしょう。
「新卒の学生の内から会社に利益をもたらす発想なんてムリだ。社会人でも出来ていない人だらけじゃないか」という意見もあるかもしれません。
そう、会社に入って、その会社の仕事をしている人でも、出来ていない人が多いのです。
というより、この本質の部分を理解していない(=仕事は会社が与えてくれるという発想)か、理解していても知らないふりをして会社にぶら下がっている人(頑張っても給料上がらないしほどほどが一番ラクという発想)が多くいます。
こういう人たちは、もはやマインドが死んでいるため会社にバリューを生み出すことはないです。それは会社も分かっているのですが、日本の雇用制度に守られて解雇できないというジレンマがあるのでしょう。
しかし、だからこそ、会社にバリューを生み出すことを一義的に考えて行動できる人材は貴重なのです。
それが、モチベーションも行動力もあるフレッシュな若者であれば、確実に企業から「欲しい」と言われる人材になるでしょう。
あなたが志望する会社や業界が求めているバリューを考え、そこで発揮できる自分のバリューをプレゼンすることができれば、例え仮定したバリュー(会社が必要としている価値)が間違っていたとしても、企業はその思考力をもった人材を買いたいと思うはずです。
では具体的に、 どのような発想を持てば良いのでしょうか。
就活本の「小手先テクニック」はなぜ小手先なのか?
私は就活時代、小手先テクニックに走って苦労していた学生の一人です。小手先テクニックじゃダメだということは理解していましたし、小手先のつもりでやっていたわけではありません。
真剣に、それが大事なことだと「勘違い」していたのです。
社会人になって初めて、それが何の意味も無いテクニックであることを理解しました。
正確に言うと、テクニックそのものが小手先なわけではありません。
そのテクニックを妄信的に利用することがそのテクニックを「小手先化」しているのです。
例えば、
・スーツは目立ちすぎないリクルートスーツで、髪は黒髪が良い。
・会社説明会での質問は真っ先に手を挙げて積極性を見せた方が良い。
・グループディスカッションでは出しゃばりすぎず空気を読んだ方が良い。
といったテクニックを、なんの考えも無く使っているようでは小手先以外の何でもありません。
逆に、「こんなの意味が無い茶番だ」と、なんの思慮もなく反発することもナンセンスです。
重要なのは、これらのテクニックが与える影響が、その会社の求めているバリューに合っているかどうかを、あなた自身が考え、判断することです。
例えば、髪の毛が黒であることが会社の利益につながる(と考えられている)ため、学生が黒髪であることを重視する会社もあります。
この会社の面接に、何の考えも無く「髪の色なんて自分が優秀であれば関係ない。自分の個性を大切にしたい」と、髪を染めて臨んだとしたら確実に落とされるでしょう。また、「この業界は黒髪じゃないと落とされるってみんなが言ってる」という情報を元に(無難に)黒髪で行く人も、魅力的な人材とは言えません。
この会社は、どういうお客様を相手に、どういうビジネスをしているのか?そのビジネスの現場では、どういう身なりをしていればお客様の心証が良く、売上に結びつきやすいのか?逆にどういう身なりをしていたら悪影響を及ぼしてしまうのか?ということを考えた上で、黒髪にするなり、自分のスタイルを通すなりすることが重要なのです。
結果は同じ「黒髪の就活生」であったとしても、そこまで思考の及んでいる学生の思慮深さは、確実に外見に現れます。そして面接官はその自信を確実に見通すでしょう。
また、極端な話、髪を染めて行ったとしても、その理由を説明して、そこに納得できるだけのロジックがあれば認められこともあるかもしれません。
つまり企業は、テクニックそのものよりも、あなたの思考の深さを見ているとも言えます。「あなたが会社でバリューを発揮できる思考(発想)を持っているか」が見られているのです。
髪の毛の話は小さな例かもしれませんが、就活テクニックというのは全て、テクニック自体は正解でも不正解でもあり、「うまく使えば効果があり、何の考えも無く使えば逆効果になる」ものなのです。
あなたの発揮できるバリューは何なのか?
会社が求めるバリューは「会社の利益につながるかどうか」ですが、では具体的にどのようなバリューを発揮すれば会社の利益につながると言えるのでしょうか。
これは会社や職種によって異なるので一概に言うことは出来ませんが、営業で言えば、例えば新しいクライアントや、新しいビジネスなど、あなたの存在によって新たな収益を生み出せる力が挙げられるでしょう。
例えば私が広告会社の営業として働いていたときは、次のことを自分の発揮できるバリューとして考えていました。
①上場企業の新規アカウントを獲得する。
②マス4媒体以外の新しい収益源を生み出す(かつ持続的利益になるような仕組みを作る)
つまり、これまで会社に無かった収益を生み出すことを一義的なバリューとして自分に課していたのです。
②はカンタンに言えばインターネット広告でした。このご時世にインターネット広告の扱いが少ない代理店だったので、そこを開拓するための方針と戦略を打ち出し、実際に収益に結びつける働きをしました。
もちろん、学生だとその会社の仕事内容も、どこに改善すべきポイントがあるかも分からないため、具体的に考察することは難しいでしょう。(それを知るためにOB訪問や会社説明会に臨むという考え方もあります)
その場合は、業界全体について勉強して、その業界が抱えている問題点をその会社に当てはめて考えられれば問題ないです。
「●●業界はこのような問題を抱えており(現状の整理)、それを解決するためにはこのような発想が必要です(解決の前提条件)。それを実現させるためにはこのようなバリューを発揮する必要があり(自分のバリューの具体化)、私はそういう仕事で御社に貢献したいです(プレゼン)」
面接で聞かれもしないのにいきなり語りだすのは違うかもしれませんが、こうした考えをしっかりと持っている学生は、どんな質問をされてもその業界について当事者意識を持って答えられるはずです。
その姿勢は必ず、採用担当者が評価してくれます。
もし、業界の問題を自分で考察するのが難しければ、OB訪問で聞いてしまっても良いかもしれません。問題を知った上で、そのためのソリューションを徹底的に考える。そして、そのソリューションの実行にあたって自分がどんなバリューを発揮できるのかを理解し、自信を持って主張するのです。
「会社が利益を上げるために、自分はどんなバリューを発揮できるか?」を考え、それを実行して収益に結びつけられる(と主張できる)人間。これを欲しがらない会社はありません。
新卒の学生に対して非常に難しい注文をしているように感じるかもしれませんが、なにもハイレベルなソリューションを思いつく必要はありません。
ソリューションの質は高いに越したことはありませんが、そうした姿勢を持って面接に臨んでいるということが伝わるだけでも、十分会社が欲しい人材としての基準をクリアするでしょう。
もしかしたら、一昔前の日本社会では、こうした人材よりも、単純に会社から言われた仕事を従順かつ的確にこなすソルジャーな人材が求められていたのかもしれません。
しかし今後、そのような人材では企業が立ち行かなくなることは誰の目にも明らかです。
ビジネス社会を生き抜くには、遅かれ早かれ求められる思考ですから、「まだ学生だから」と甘えるのではなく、少しでも早く本質を考える姿勢を持ってライバルに差をつけて欲しいと思います。
前回のエントリーで紹介した「面接官の記憶に焼きつくアイデアの伝え方」と合わせて、第一志望の会社から「絶対に欲しい」と思われるあなたをアピールして下さい。
まだやりたい仕事が見つかっていないあなたに
やりたいことが見つからない、どんな業界に就職すればいいか分からないという方にとっては、興味の無い業界研究ほど苦なものはないでしょう。しかも、ここで述べてきたようなハイレベルな業界研究ということであれば尚更です。
そういう方は、こちらの書籍を読んでみて下さい。
まだ自分がやりたいことが分からなくても、「どんな職に就くべきか」、「どういう発想を持って仕事を選ぶべきか」を深く理解できます。
また、「バリューを発揮する」という視点については、マッキンゼーの元採用担当者、伊賀泰代さんの著書『採用基準』が非常に参考になります。「バリューを発揮するとは何か?」「どういう姿勢で仕事に臨むべきか?」について本質的な考察がなされています。
2012年買った書籍で一番ためになった一冊です。
ちなみに、冒頭で紹介した「リッチマン,プアウーマン」は4月にスペシャルドラマが放送されますね。私の大好きなドラマで、擦り切れるくらい何度も見ていますが、とにかくオススメです!