【江渕崇】ノーベル経済学賞の受賞者のジョセフ・スティグリッツ米コロンビア大教授は22日、都内で朝日新聞などのインタビューに応じた。環太平洋経済連携協定(TPP)について、「日米両国の国民のためにならない可能性がある」とクギを刺した。
スティグリッツ氏は、TPP交渉で米国が遺伝子組み換え食品の表示義務の撤廃を求める可能性があることについて「他の多くの国も、米国民も、撤廃すべきだとは思っていない」と指摘した。特許などの知的財産の保護を米国が強く主張していることに対しては「(価格の安い)後発医薬品が作りにくくなったり、途上国の発展を妨げたりするおそれがある」と言及。いずれも米政府が自国企業など一部の利益を守ろうとしていると批判した。
日本の自動車市場が閉鎖的だと米国が主張していることに関しては「米国産大型車が日本で売れないのは燃費が悪く、社会が望む商品を提供できていないのだから当然だ」と述べた。