韓国の銀行や放送局への大規模なサイバー攻撃を調査している同国の放送通信委員会は21日、初期調査の結果、攻撃に使われていたコードが中国のものであることを突き止めたと発表した。中国には北朝鮮のハッカーが多数入り込んでいるとみられている。
発表資料によると、20日の攻撃で被害を受けたサーバーは約3万2000台。韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領は、北朝鮮による犯行かどうかを調べるためのチームを立ち上げた。
韓国忠南大学校の柳在哲教授(コンピューターエンジニアリング・セキュリティー)は「コードが中国のものと判明したことで、北朝鮮が今回の攻撃を行った可能性が高まった。同国のハッカーの多くが中国で活動しているからだ。そもそも北朝鮮以外に誰がこのタイミングで、これだけの規模のサイバー攻撃を行うだろうか」と指摘した。
韓国は2011年にも40あまりのウェブサイトを一斉に狙ったサイバー攻撃を受けている。韓国警察が北朝鮮によるものとみなしている最近の事例は昨年6月に起こった韓国紙、中央日報に対するサイバー攻撃だ。
韓国高麗大学校情報経営工学専門大学院の林鐘仁院長は、今回のサイバー攻撃について「メディアや金融機関を混乱に陥れることで相手国の社会不安を増大させる。そうした心理面の効果を狙ったものだろう。中国が積極的に協力するとは考えにくいので、発信源の正確な特定にはいくらか時間がかかりそうだ」と述べた。(ブルームバーグ Sangwon Yoon、Cynthia Kim)