ホームで乗客を歓迎するキャラクターたち=近鉄伊勢市駅で
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今秋の伊勢市の伊勢神宮の式年遷宮に合わせ、近鉄の新型観光特急「しまかぜ」が運行を開始した21日、沿線となる伊勢市、鳥羽、賢島の3駅で歓迎イベントがあり、地元関係者が名古屋や大阪方面からの乗客に、特産品を振る舞うなどした。
外宮の玄関口の伊勢市駅のホームでは、市の観光PRキャラクター「はなてらすちゃん」や、市観光協会職員らが歓迎。名産品を知ってもらおうと餅菓子数種類と緑茶の振る舞いもあった。
市観光協会の西村純一専務理事(44)は「しまかぜ運行を機に鉄道ファンも伊勢へ来て魅力を知ってほしい」と期待を込めた。
乗客はキャラクターと記念撮影し、菓子を味わって電車の旅の余韻を楽しんだ。子ども二人と名古屋駅から乗った津市の下里佳代さん(36)は「座席が広くて子連れにもいい。旅行気分も盛り上がる」と満足そうだった。
御薗町高向の沿線では、市職員七人が「歓迎しまかぜ」「ようこそお伊勢さんへ」と書いたプラカードや旗を掲げて初列車を迎えた。
終着駅の志摩市の賢島駅では、市観光協会のゆるキャラ「はまちゃん」や市のゆるキャラ「あおサ〜」、市、市内観光産業の関係者、市内の海女ら約百人が出迎えた。
午後零時二十六分に名古屋発の電車が着くと、志摩町和具の荒波太鼓保存会のメンバーたちが勇壮に太鼓を打ち鳴らした。
降りた乗客約百人に「ようこそ」と声を合わせ、乗客の松阪市の三重高一年柴木啓伸(けいしん)君(16)に、大口秀和市長が花束を贈った。友人らと四人で名古屋から個室に乗車してきた柴木君は「海もきれいに見えたし、内装も豪華で乗り心地が良かった。たくさんの人が乗って電車と伊勢志摩を楽しんでくれるとうれしい」としまかぜでの旅を満喫した様子だった。改札の外では海女たちが志摩特産の海藻のアオサを乗客に配った。
乗客代表の柴木君に花束を渡す大口市長(左から2人目)=近鉄賢島駅で
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しまかぜは六両編成で定員は百三十八人。賢島を終着とする近鉄の観光特急の導入は一九九四年の伊勢志摩ライナー以来。大阪難波−賢島と、名古屋−賢島を水曜を除き、それぞれ一日一往復する。
先頭と最後尾に展望車両があるほか、窓側に向いて座ることができるカフェ車両もある。乗車には運賃と特急料金のほか、乗車距離に応じた特別料金が必要。
(丸山崇志、川原田喜子)
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