振り込め詐欺防止:高齢者に録音機 警視庁、無料配布へ
毎日新聞 2013年03月22日 01時26分(最終更新 03月22日 07時53分)
振り込め詐欺の防止策として警視庁は21日、東京都内の高齢者宅に詐欺からの電話を自動録音できる装置を無料で1万5000台配布すると発表した。声紋などを解析し、犯人グループの割り出しに活用する。録音機の配布は全国初。
同庁によると、録音機は着信した通話がすべて録音されるが、プライバシー保護のため録音内容は警察官が暗証番号を入力しないと聞けないように設定する。通話の前に「会話内容が自動録音されます」という警告メッセージを流すこともできるという。
都内で昨年確認された振り込め詐欺の電話は約1万1200件に上るが、パニックになり通話内容を正確に思い出せない被害者が多い。今後は録音機から犯人の記録だけを抜き出してデータベース化する。
録音機は戸別訪問などで希望者を募り、各警察署を通じて貸し出す。申し込みも最寄りの署でできる。21日に録音機を設置した豊島区の無職、鍋倉テイ子さん(78)は「1人暮らしで不安だったので、録音できて警告メッセージも流せるのは心強い。犯人の検挙に協力できれば」と話した。【前谷宏】