【ドーハ松岡祐司、原田公樹】サッカーのワールドカップ(W杯)アジア最終予選B組第6戦のヨルダン戦(26日・アンマン)に向けた強化試合として、日本代表は22日午後7時5分(日本時間23日午前1時5分)から、当地のハリファスタジアムでカナダ代表と対戦する。攻撃のキーマン、FW本田圭佑(26)=CSKAモスクワ=を故障で欠く中、大一番への最終テストとして、香川真司(24)=マンチェスター・ユナイテッド=が約1年1カ月ぶりにトップ下で先発出場することが確実になった。
国際サッカー連盟(FIFA)ランキングは日本が26位、すでにW杯北中米カリブ海予選で敗退したカナダは68位。日本代表は24日、チャーター機でアンマン入りする。
戦線離脱している本田圭佑に代わって、カナダ戦でトップ下のMFとして先発が濃厚な香川が、練習を終えて記者に囲まれると、こう話した。
「マンチェスター・ユナイテッドとは選手も違いますから、それぞれの個性を生かしながら、自分も生きるっていう…」
「もっと自分を生かしてもらえるよう、要求していきたい」
このようやく巡ってきたチャンスをものにするため、パスを集めてくれと要求するという。
トップ下は最も得意とするポジションだが、これまで代表での先発起用は、0−1で敗れた昨年2月29日、豊田スタジアムでのW杯3次予選、ウズベキスタン戦だけ。試合途中でポジションを変更してトップ下としてプレーしたことはあるが、先発はこの1度きりだ。いつもトップ下は本田や中村憲剛に譲ってきた。
トップ下にはいくつかのタイプがある。中村憲のようにゴールをお膳立てするタイプ。本田のようにチャンスメークだけじゃなく、ゴールに執着するタイプ。ルーニーのように臨機応変に両方ができるオールラウンダー。香川は本来、お膳立てもゴールも両方できるオールラウンダーだが、カナダ戦で結果を残すため、あえてゴールに執着するタイプとしてプレーする覚悟だ。
ザッケローニ監督も「真司はセカンドトップに近いプレーヤー」と、得点力に期待している。カナダ戦で機能すれば、26日のヨルダン戦でもトップ下としての起用の可能性が高まり、さらに本田に代わってトップ下に定着となるかもしれない。香川にとっては、味方からいかにゴールに近い場所でいいパスをもらえるか。それがカギを握る。 (原田公樹)
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