今年で第6回目となる、マンガ大賞2013が発表されました。世のマンガ好きがいろいろと予想していたようですが、今年の受賞作は『海街diary』吉田秋生)となりました。発表の瞬間、ニコ生の画面で「おおおおおおおおおお」との声も漏れたように、意外だと受け止めたマンガファンもいたようです。
過去のマンガ大賞では、昨年の『銀の匙』(荒川弘)、一昨年の『3月のライオン』(羽海野チカ)のように既に名の通った作家でも連載開始からそれほど時間が経っていない作品が受賞するケースが目立ちました。しかし、今回の受賞作『海街diary』は連載開始から時間も経っています。しかも作者は、1983年に『河よりも長くゆるやかに』、『吉祥天女』で第29回小学館漫画賞を受賞するなど、数々の受賞歴があり、1986年にはあの名作『BANANA FISH』の描き手でもあるベテラン。そうした背景もあって、意外だととらえられた節もあるようです。
担当編集者によるとい「軽い世間話からはじまった」という『海街diary』。鎌倉を舞台にした、それぞれにキャラクターの異なる姉妹の物語。授賞式に登壇した担当編集者が「第一回でベスト3に入っていたので、まったく予想していなかった。ビックリした」との
この日の授賞式では、めったにメディアの前に姿を見せない吉田秋生本人も登壇し、受賞の『海街diary』にまつわる質問に対して、直接回答する一幕も(本当に珍しい!)。以下にコメントを抜粋すると……。
・子どもの頃、鎌倉に住んでいて、その頃の記憶が自然に物語に反映されている。
・子どもにとって『闇』はすごくこわいもの。鎌倉は昼間の光の強さと夜に急に暗くなる、光と闇のコントラストが強い。
・最初に生まれたキャラクターは、4姉妹の次女、信用金庫づとめ(香田佳乃)。
・描かれているモチーフのなかで、もともと好きだったのはサッカー。
・物語は生き物。(正しさだけを追求しすぎて)知識だけが先に来ると物語が死んでしまう。描かれている内容はウソではないけど、それほど本当でもない。
ちなみに今日の授賞式では来場していた『ちはやふる』の末次由紀から「先生の好きな食べ物はなんですか?」という質問が飛び出すハプニングも。担当編集者からは「僕がお答えしていいのか……」と困り顔ながらも、「魚ですね。お刺身も煮魚も」とまっすぐな回答が飛び出しました。
授賞式の模様は Ustream でも配信中(ただし、作家の登壇シーンなど一部音声のみ)。…