福島第一原発1・4号機 燃料プール冷却再開3月19日 17時22分
東京電力福島第一原子力発電所で、18日夜発生した停電に伴い、使用済み燃料プールの冷却システムなどが止まっていたトラブルで、東京電力は、19日午後2時すぎ、1号機の燃料プールの冷却システムの運転を再開しました。
また、4号機の燃料プールについては、非常用の発電機につなぐなどして、午後4時すぎに冷却システムを復旧させました。
このほかの冷却システムについても、20日午前8時ごろまでに順次復旧する方針です。
福島第一原発では、18日午後7時前、事故の収束作業の拠点となっている免震重要棟で瞬間的に停電が発生したのに伴い、1号機と3号機、それに4号機の使用済み燃料プールや、敷地内にある使用済み燃料を専用に保管している「共用プール」で、冷却システムが止まりました。
外部の送電線から電気を受けている3つの配電盤が停止していたことから、東京電力は何らかのトラブルが起きたとみて、調査を行うとともに復旧作業を進めていました。
その結果、19日昼ごろまでに2つの配電盤について復旧作業が終わったことなどから、1号機の燃料プールの冷却システムについては、トラブルの発生から19時間たった19日午後2時20分ごろに運転を再開しました。
また、4号機の燃料プールについては、残る1つの配電盤の代わりに非常用の発電機につなぐなどして、19日午後4時すぎに冷却システムを復旧させました。
このほか、3号機の燃料プールについても、別の配電盤に切り替えるなどして、19日午後8時ごろまでに冷却システムを復旧させるほか、共用プールの冷却システムについても、20日午前8時ごろまでに復旧させる方針です。
東京電力によりますと、異常があった配電盤は、目視したかぎり損傷などはないということで、引き続きトラブルの原因について調べています。
この影響で、燃料プールの水温は、最も高い4号機のプールで、トラブルの発生する前の18日午後6時には25度だったのが、19日午後4時30分には30度まで上がりましたが、東京電力の規定で定めている65度よりは低く、冷却には問題ないと話しています。
このトラブルで、1号機から3号機の原子炉への注水に影響はなく、原発の周辺で放射線を測定するモニタリングポストの値にも変化はないということです。
燃料プールの冷却システムなどのトラブルの原因について、東京電力の尾野昌之本部長代理は、「トラブルを起こした配電盤について、目視で確認したところ、目立った損傷はなかったが、現在も電気の流れ具合を評価するなどして、原因を調査している。今回は、設備を復旧するのに、ケーブルでほかの配電盤に切り替えたほうが早いと判断した」と説明しました。
また、復旧作業に時間がかかっていることについて、東京電力は「安定した冷温停止の状況を維持することに努めてきたが、今回、このようなトラブルでご心配をおかけしていることは、大変申し訳ございません」と謝罪しました。
そのうえで東京電力は、トラブルの公表が3時間ほど遅れたことに改めて謝罪するとともに、今後は早いタイミングでの連絡ができるよう取り組んでいきたいとしています。
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