イラク戦争では、最大で18万9000人が死に、そのうち戦闘に巻き込まれて死亡した一般市民は13万4000人に上っている。これも米ブラウン大の研究機関の試算だが、よく引き合いに出されるIRAQ BODY COUNTも、ほぼこれと同じ数字となっている。IRAQ BODY COUNTの数字では、米軍主導の有志連合軍に直接殺害された民間人は1万4705人となっている。残りが、スンニーとシーアの宗派対立による自爆テロ等での犠牲者ということだろうか。米軍の死者は6000人。4500人という情報もあるが、これは民間の傭兵を除いた数字かもしれない。いずれにしても、一般市民の犠牲者が異常に多い。また、国内で難民となった者が200万人、国外に脱出した難民が220万人という数字(シリアに120万、ヨルダンに50万人、2008年)もある。この13万4000人の犠牲に対して、あるいは1万4705人の殺害に対して、そして、戦争難民の被害に対して、米国は謝罪しておらず、罪を償うべく補償する意思や態度を表明していない。問題はそこではないのか。この戦争は介入ではなく、イラクでの内戦の一方に米国が肩入れしたものではない。ベトナム戦争の構図とは違う。一方的な侵略戦争だ。なぜ、米国の戦争責任が問われないのだろう。米国は、イラクの戦場で傷つき、精神や身体に障害を負い、一般社会に復帰して働けなくなった傷痍軍人に対してはケアをしている。その分を含んだ費用が何兆円という数字を出し、戦争は失敗だったと世界のマスコミに報道させている。