「金融機関がぜったい教えたくない 年利15%でふやす資産運用術」(竹川美奈子著)は「素晴らしい!けどもったいない」
「金融機関がぜったい教えたくない 年利15%でふやす資産運用術」(竹川美奈子著)を読みました。
本書を読んだ最初の感想は、「素晴らしい!けど、もったいない」でした。ん?それってどういうこと?
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本書を読んだ最初の感想は、「素晴らしい!けど、もったいない」でした。ん?それってどういうこと?
本書の内容をひと言でいうと、「個人型確定拠出年金のわかりやすい解説書」です。個人型確定拠出年金のいちばんのメリットは、税制優遇です。
(1) 毎月掛け金を払う時 →全額「所得控除」
(2) 運用している時 →運用益非課税
(3) 受け取る時 →「退職所得控除」「公的年金等控除」
とトリプルの税制優遇があります。運用商品を売買する時だけでなく、給料等の所得から控除できるという「投資以外への税制メリット」があるということが強力です。さすが公的に認められた年金制度です。他にもいつくかメリットが本書では示されています。
とはいえ、従来型の確定給付年金では、国が運用利回り確保のリスクを負っていたわけで、確定拠出年金ではそのリスクを個人に押し付ける形になり、これはデメリットとも言えます。だからこそ、税制等で大きく優遇されており、自らリスクを取りにいこうとする私たち個人投資家にとっては、まさに願ったり叶ったりというわけです。
しかしながら、これだけのメリットがありながら、個人型確定拠出年金については、実は類書がほとんどなくあまり知られていません。どのくらい知られていないかというと、(本書のデータによると)個人型確定拠出年金を利用できる対象者は日本に3600万人以上いるのに、実際に利用しているのはわずか14万6000人程度で、利用率はじつに0.4%にも満たないというレベルです。
なぜこんなに知られていないかというと、金融機関の利益確保という「大人の事情」で、このあたりはインデックスファンドと似ています。そういう意味で、本書は知る人ぞ知る良心的な制度の貴重な情報源になっています。じつに素晴らしい。
しかしながら、本書のタイトルがその良さを半減させていることも、残念ながら指摘せざるを得ません。優遇税制による節税分を投資のリターンに無理やり合算した「年利15%」という高利回りをうたった上に、「ぜったい」という金融の世界では有名なNGワードまで使って煽っているように見えます。(タイトル付けの権利は出版社にあると聞きますので、著者の意思ではないと信じたいですが…)
以上をまとめると、良心的制度の貴重な情報源であると同時に、タイトルでかなり損しているので、「素晴らしい!けど、もったいない」というのが感想でした。
本書がおすすめなのは、自営業・フリーランスのかたですが、それに加えて、年金が2階までの会社員のかた。特に、後者は自分(もしくは配偶者)が対象者であることに気づいていないケースも多く、一度我が身を振り返って調べてみる価値はあると思います。
なんといっても、投資に関する税金だけでなく所得に関する税金まで安くなりますので。
P.S
私自身は個人型確定拠出年金の対象者ではないのが残念です。この分野について、当ブログでほとんど情報がないのはそのためです。潜在的対象者は多いはずなので本書で補完していただけたらと(^^;
(1) 毎月掛け金を払う時 →全額「所得控除」
(2) 運用している時 →運用益非課税
(3) 受け取る時 →「退職所得控除」「公的年金等控除」
とトリプルの税制優遇があります。運用商品を売買する時だけでなく、給料等の所得から控除できるという「投資以外への税制メリット」があるということが強力です。さすが公的に認められた年金制度です。他にもいつくかメリットが本書では示されています。
とはいえ、従来型の確定給付年金では、国が運用利回り確保のリスクを負っていたわけで、確定拠出年金ではそのリスクを個人に押し付ける形になり、これはデメリットとも言えます。だからこそ、税制等で大きく優遇されており、自らリスクを取りにいこうとする私たち個人投資家にとっては、まさに願ったり叶ったりというわけです。
しかしながら、これだけのメリットがありながら、個人型確定拠出年金については、実は類書がほとんどなくあまり知られていません。どのくらい知られていないかというと、(本書のデータによると)個人型確定拠出年金を利用できる対象者は日本に3600万人以上いるのに、実際に利用しているのはわずか14万6000人程度で、利用率はじつに0.4%にも満たないというレベルです。
なぜこんなに知られていないかというと、金融機関の利益確保という「大人の事情」で、このあたりはインデックスファンドと似ています。そういう意味で、本書は知る人ぞ知る良心的な制度の貴重な情報源になっています。じつに素晴らしい。
しかしながら、本書のタイトルがその良さを半減させていることも、残念ながら指摘せざるを得ません。優遇税制による節税分を投資のリターンに無理やり合算した「年利15%」という高利回りをうたった上に、「ぜったい」という金融の世界では有名なNGワードまで使って煽っているように見えます。(タイトル付けの権利は出版社にあると聞きますので、著者の意思ではないと信じたいですが…)
以上をまとめると、良心的制度の貴重な情報源であると同時に、タイトルでかなり損しているので、「素晴らしい!けど、もったいない」というのが感想でした。
本書がおすすめなのは、自営業・フリーランスのかたですが、それに加えて、年金が2階までの会社員のかた。特に、後者は自分(もしくは配偶者)が対象者であることに気づいていないケースも多く、一度我が身を振り返って調べてみる価値はあると思います。
なんといっても、投資に関する税金だけでなく所得に関する税金まで安くなりますので。
P.S
私自身は個人型確定拠出年金の対象者ではないのが残念です。この分野について、当ブログでほとんど情報がないのはそのためです。潜在的対象者は多いはずなので本書で補完していただけたらと(^^;
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- [2013/03/10 17:33]
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