今日は尻軸とピストン機構について・・・
尻軸リング・・・これはピストン機構の違いで変化します。
1950年代~1960年代はこの尻軸のリングが細く、リング自体の外側が丸い形状をしています。
一般的な無垢の結婚指輪のような形と言った方我わかりやすいでしょうか?(笑)
比較 左側が1950年代~1960年代
 右側が1970年代~現行まで
の形になります。
1970年代以降は平らなリング形状になり、リング幅も少し広くなります。
 これらはピストン機構の違いによるものです。
同じ細い丸みのあるリングでも1950年代と1960年代ではピストン機構が違います。
比較-2左が1950年代のテレスコープ式といわれるもので、金属製のピストン軸です。
万年筆全体のバランスは適度な重さで良いのですが、この頃はピストン劣化でインクが尻軸側に回ってしまうと、腐食してしまう難点があります。
 また一度最後までピストンを伸ばしきってから戻さないと途中でコルク位置が止まってしまいます。これを知らずに無理に何度も操作したりして機構を壊したり、セルロイド軸にクラックが入ったりしてトラブルになります。それでなくても1950年代のセルロイドは今においてはその年月経過含めて扱いに神経を使わないといけません。
私個人は骨粗しょう症軸と独り言を言います(笑)
下段のは挿入式でピストン軸及びピストンが樹脂製になります。
この1960年代の軸もセルロイドではなくなりましたが、大変割れやすい軸です。
1950年代、1960年代ともにピストン引抜には専用の工具が必要です。
これらのピストン写真は師匠のブログから転写編集させていただいておりますm(__)m
 1970年代以降は平らな太目のリングですが、ピストン機構が金属製になります。
-3上段が1970年代のもので、一部樹脂が使われており、
形状も円柱のような形です。
下段が1980年代以降のもので、形状も変化しています。
 1980年代以降であってるよなー??
すみません、調べて更新しておきます。
リングが動くようになりメンテは少しめんどくさくなりました。
1970年代以降は俗称で「カニつめ」と呼ぶ道具があれば、外してメンテできるようになっています。
フォークでの代替道具でも行けます・・・あくまで自己責任ですが。
個人的にはペン先の柔らかさやらニブやらメンテ製やら丈夫さ等から、1790年代の物が一番好きです。
1970年代以降の軸に1950年代のペン先とペン芯を交換してガシガシ使えるのが私の理想です(笑)
 ちなみに今の使い倒し様は1970年代軸に1960年代の14C帯のペン先とペン芯で使っています。
細い丸いリングは好みですが、やはり自分でメンテできない事と、壊れたら泣くしかない骨粗しょう症に神経を使いまくるのは、大変・・・
 
トゥームレイダーの家のように、外はビンテージクラシック、中は最新近代化みたいな組合せが好きだったりします(笑)

次は、ピストン先端形状と本体のねじ山について書いてみようと思います。

 



追加情報を頂きましたので追記致します。 1960年代のリングでもフラットなタイプも存在するようです。 想像するに、Rをつける工程を省くためかと。 60年代終盤の物? 時間はかかりますが探して見たいと思います。