Ｇ開幕２戦目始球式に１６歳ジャンプ女王・高梨沙羅

始球式に登場する高梨沙羅

　巨人が、開幕２戦目の３月３０日の広島戦（東京Ｄ）の始球式に、ノルディックスキージャンプ女子で今季ワールドカップ（Ｗ杯）で総合優勝した高梨沙羅（１６）＝グレースマウンテン・インターナショナル＝を起用することが２０日、分かった。球団では１６歳で頂点を極めた実力に加え、その屈託のない笑顔と明るいキャラクターに注目。開幕２戦目の“大役”に白羽の矢を立てた。

　来年２月にロシアで行われるソチ五輪の金メダル候補のパワーを原巨人に注入する。高梨は今季のＷ杯で１６戦８勝と驚異的な強さを見せ、２月に日本勢初の総合女王に輝いた。１９日にノルディックスキーの聖地オスロから帰国した際には「（総合女王の）トロフィーを持って日本に帰ることができて誇りに思う」と笑顔を見せた。

　ソチ五輪で金メダル獲得という悲願に向け、高梨は日々努力を続けている。原監督も監督就任からいまだなし得たことのない、日本一連覇にまい進中。ともに高い目標を掲げているという点でも共通点が多い。

　高梨は金メダル獲得への期待を問われても「その前にやっておくことはたくさんある」と冷静に答えるように、原監督も「日本一連覇というのは簡単ではない。まだチームは成長を続けている段階。やらなくてはいけないことはたくさんある」と断言。年齢は違うが、頂点に向けて同じ気持ちを持っている。

　開幕戦の始球式も候補者の絞り込みを行っている。開幕から２試合続けて始球式を行うのは巨人では超異例。巨人側は日本野球を盛り上げると同時に、来年開催されるソチ五輪を盛り上げるため、前例のない２戦目の始球式を決めた。東京Ｄからスポーツの力を世界へ発信する。

　◆高梨　沙羅（たかなし・さら）１９９６年１０月８日、北海道・上川町生まれ。１６歳。上川小２年で競技を開始。中学２年の１１年１月、ＨＢＣ杯で札幌・大倉山女子最長記録の１４１メートルをマーク。昨季から始まった女子Ｗ杯では、昨年３月の第１１戦蔵王大会で最年少Ｖ。昨季総合３位。趣味は３歳から始めたバレエ。父・寛也さんはジャンプの元選手で、兄・寛大（かんた）は現役選手。１５２センチ、４５キロ。