月曜日, 3月 04, 2013

AF感度テスト 【資料】

下表は、アサヒカメラ誌のニューフェイス診断室で、通常のAFモード(位相差検出方式)で、中央1点の測距枠位置「小倉チャートA~G」の各チャートに合焦可能な限界値を測定したものです。

AF感度に注目するのは、AF速度やAF精度の基礎となるものだからです。どんなにAFが早く精度が高くても十分なコントラスや照度がなければ合焦できないAFはその性能を活かせないからです。

小倉チャートAパターンでは、キヤノン EOS 1Ds Mark Ⅲを除き、-2〜-3EVの暗い環境でも合焦します。しかし白黒のパターンである被写体はパンダやシマウマのイラストを撮る写真家以外 (^^;) にはあまり意味がありません。より低コントラストなCパターンからが実用AF感度です。

ニコンのマルチCAM 3500FX/DXモジュールが優秀であることが浮き彫りになっています。

また、ニコン D600とD800(D300やD700)の測定結果は使用時の実感が一致し、低コントラストで低照度な被写体はニコン D800(D300やD700)に比べニコン D600がやや低い結果でした。

ニコン D7000は正直こんなものだと思います。ひとつのAFポイントの感度は低いですがクラス最高の高密度なAFにより隣接する9点がエリアサポートする方式です。

FXフォーマットのニコン D700とDXフォーマットのニコン D300とのモジュールの差は無いことを示しています。

これによりニコン D7100に搭載されたアドバンスト「マルチCAM 3500DXオートフォーカスセンサーモジュール」は検出範囲が -2~+19 EVでありニコン D800と同等の性能を持つことが推測できます。

よって、ニコン D7000の弱点であったAF感度はニコン D7100で解消されデジタル一眼レフ最高のAF性能を持つと言えます。

総合評価は各EV値の合計(測定不能を示す×は8EVとした) EV値が低い方が低コントラストな被写体を低照度で合焦できることを示す
カメラ AF 測定 総合
評価
モジュール 検出範囲 センサー A B C D E F G
ニコン D800 アドバンスト マルチCAM 3500FX -2〜+19 ▲3 ▲3 ▲2 ▲3 ▲3 ▲1 × ▲6.5
▲1
ニコン D300 マルチCAM 3500DX -1〜+19 ▲2 ▲2 0 ▲1 ▲1 0 4 ▲1.5
▲1
ニコン D700 マルチCAM 3500FX -1〜+19 ▲3 ▲1 0 ▲1 ▲1 0 5 ▲1.0
キヤノン EOS 5D Mark Ⅲ - -2〜+18 ▲3 ▲2 0 ▲1 ▲1 0 × 1.0
ニコン D90 マルチCAM 1000 -1〜 +19 ▲3 ▲1 0 ▲1 ▲1 0 × 2.0
ニコン D600 マルチCAM 4800 -1〜 +19 ▲2 0 ▲2 1 1 2 3 3.5
1
キヤノン EOS 60D - -0.5〜+18 ▲3 ▲1 2 0 0 2 4 4.0
1 5
キヤノン EOS 7D - -0.5〜+18 ▲3 ▲1 1 0 0 1 × 6.5
0
キヤノン EOS 1Ds Mark Ⅲ - -1〜+18 ▲2 0 2 1 0 1 4 8.0
▲1 1 1 2
ニコン D3100 マルチCAM 1000 -1〜+19 ▲2 ▲1 2 0 ▲1 1 × 8.5
3 1 0
キヤノン EOS 5D Mark Ⅱ - -0.5〜+18 ▲2 0 2 1 1 2 × 11.5
1
ニコン D7000 マルチCAM 4800DX -1〜+19 ▲2 0 2 1 1 2 × 12.5
2


測定方法

  • AFポイント中央を選択
  • 「縦線検知センサー/横線検知センサー」値
  • 使用レンズは50mm F1.4
  • 被写体までの距離は2mメートル


小倉チャート
A:高コントラスト段差型チャート(白:黒)
B:白地に黒一直線(1mm幅)
C:灰色に白一直線(1mm幅)
D:灰色に黒一直線(1mm幅)
E:低コントラスト段差型チャート(輝度比 17:11)
F:低コントラスト段差型チャート(輝度比 17:13)
G:連続反射率変化チャート(AF視野両端輝度比 20:8)

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