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復興見守るモアイお披露目 イースター島“本物”寄贈

モアイ像
モアイ像を見上げる(左から)後藤和那さん、山内ナナさん、首藤知恵さん
Photo By スポニチ

 東日本大震災の被災地、宮城県南三陸町にチリから寄贈されるイースター島のモアイ像が20日、東京都千代田区の丸ビルでお披露目された。南三陸町には5月に到着する。チリから贈られたモアイ像があったが、震災による津波で倒壊。除幕式には、モアイ像で町おこしに取り組む宮城県志津川高校の生徒3人も参加し「復興のシンボルとして町を見守ってほしい」と話した。

 約300人が見守る中で披露されたモアイ像は高さ約2メートル50。「帽子」と呼ばれる部分が横に置かれ、頭に乗せた場合は高さ約3メートル、重さ2トンに達する。イースター島で自然石から島民が作り上げた“本物”。島の石を使ったモアイ像が海外に寄贈されるのは初めて。

 南三陸町は1960年5月のチリ大地震(マグニチュード9・5)で発生した津波で、町民41人が犠牲になった。91年、津波の被害を忘れず相互に防災意識を高めるため、チリからモアイ像の複製が贈られた。志津川湾に面した松原公園に置かれ、町民の憩いの場として親しまれたが、東日本大震災で倒壊した。

 モアイ像を「町のシンボル」から「復興のシンボル」にしようと立ち上がったのが志津川高だ。震災前年の2010年、情報ビジネス科3年生の課題研究として、モアイ像を生かした町おこし「南三陸モアイ化計画」をスタート。モアイを使ったキャラクター商品、菓子などを製作していた。

 震災後は、松原公園の一角で見つかったモアイ像の頭部を校内に移設。生徒が描いたモアイキャラクターで、町名にちなんで名付けた「みなみちゃん」「さんりくん」のステッカーを警察車両に貼ってもらうなどしていた。この活動をチリの新聞社などが取材。イースター島の長老会も動きだし、昨年3月、チリのピニェラ大統領が同町を訪れ、像の寄贈を発表した。

 この日、除幕式に参加した山内ナナさん(18)、首藤知恵さん(18)、後藤和那(かずな)さん(18)は「モアイには南三陸が復興していく様子を見ていてほしい」と話した。3人は今月1日に卒業し、首藤さんと後藤さんは町外の専門学校に進む。南三陸町での寄贈式は5月25日に行われる予定で、首藤さんは「新しい像の周りで同窓会ができればうれしい」と笑顔を見せた。

 丸ビルでの展示は今月28日まで。5月2日からは大阪で公開される。

 ▽モアイ チリのイースター島に約1000体ある人面石像。多くは高さ約3メートル50、重さ20トンほど。最大で約20メートル、約90トン。島中央部で産出された石材が使われ、ほとんどが海に面した高台に立っている。石材の運搬方法、制作の目的など不明な点は多い。「島に人知を超えた文明が存在した」「宇宙人が作った」などの説も。90年代、日本の車両製造会社「タダノ」(香川県高松市)がクレーンを持ち込み、倒壊した像の修復を支援。東京・渋谷駅南口にはモアイをモチーフにした「モヤイ像」がある。

[ 2013年3月21日 06:00 ]

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