ヘイトスピーチ:「殺せ」… デモ、目立つ過激言動

毎日新聞 2013年03月18日 15時00分

 デモなどで特定の人々を公然と侮辱する「ヘイトスピーチ」が目立つようになっている。海外ではドイツやイギリスなどヘイトスピーチを処罰対象としている国もあるが、日本では「野放しの状態」(専門家)。標的となった人からは「危険を感じる」という声も上がっている。【川崎桂吾】

 「殺せ、殺せ」「ゴキブリ」「日本からたたき出せ」

 2月上旬、外国人が多く暮らす東京都内の繁華街でデモがあり、そんなシュプレヒコールが飛び交った。デモは特定の外国人を排斥する目的でインターネットで告知され、男女100人以上が参加した。

 既存の右翼団体とは異なり、参加者もほとんどが一般人。こうした現場を取材してきたフリージャーナリストの安田浩一さんは「数年前に比べ文言がより過激になっている。『殺せ』という言葉はヘイトスピーチと言えるのではないか」と話す。

 一方、デモを呼びかけた団体の一つは「参加者から自然に出た言葉で、推奨しているわけではない。何がへイトスピーチなのか明確な定義はなく、デモの表現としてあっていいと思う」(広報担当者)と説明している。

 デモを間近に見た外国人男性(25)は小声で「怖かった。危険を感じた」と話した。ツイッターでも「デモやばかった」「ひくわー」などのつぶやきが相次いだ。

 デモを問題視した超党派の国会議員も抗議集会を呼びかけ、今月14日に200人以上が参加。また17日の同様のデモでは、コースの途中に「仲良くしようぜ」などと書かれたプラカードを持った人々が集まり、抗議の意思を示した。運動を呼びかけた男性会社員(30)は「もう見過ごせないと思った」と話した。

 ◇海外では処罰対象

 ヘイトスピーチは社会の平穏を乱し、人間の尊厳を侵すとして、諸外国で規制されている。ドイツはデモや集会、ネットの書き込みで特定の集団を侮辱する行為を「民衆扇動罪」に定め、5年以下の禁錮刑を科している。国内に住む外国人を「駆除されるべき集団」などと表現する行為もこの罪に当たる。

 イギリスの公共秩序法も同様の行為に7年の懲役刑、フランスや民族対立から内戦が起きた旧ユーゴスラビアのモンテネグロも罰金刑を設けている。

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