ローマ法王:ベネディクト16世退位 法王選挙会議へ

毎日新聞 2013年03月01日 10時31分(最終更新 03月01日 12時23分)

2月28日、ローマ郊外のガンドルフォ城のバルコニーから手を振ってお別れをするベネディクト16世=ロイター
2月28日、ローマ郊外のガンドルフォ城のバルコニーから手を振ってお別れをするベネディクト16世=ロイター

 【ローマ福島良典】世界約12億人のキリスト教カトリック信徒の頂点に立つローマ法王ベネディクト16世(85)が2月28日午後8時(日本時間3月1日午前4時)、退位した。バチカン(ローマ法王庁)は法王不在の空位期間に入り、次期法王は、今月前半に開かれる法王選挙会議(コンクラーベ)で選出され、第266代法王として即位する。後継にはイタリアや欧州のほか、ブラジルなど中南米からの候補も有力視されている。

 約2000年に及ぶカトリック史上、生前に退位した法王は約600年ぶり。ベネディクト16世は28日午後5時すぎ、バチカンをヘリコプターでたち、ローマ郊外にある離宮・ガンドルフォ城に移動した。バチカンのサンピエトロ広場では集まった信徒らがヘリコプターに手を振り、ローマ市内の教会の鐘が一斉に鳴り響いた。

 ベネディクト16世は信徒に「友情と思いやりに感謝する。これから私は法王でなく、一巡礼者だ」と最後の別れを告げた。午後8時をもって、公文書を承認する際に使う金製の指輪印「漁夫の指輪」が無効にされ、バチカンのスイス人衛兵が城の扉を閉めて立ち去り、約8年間に及んだベネディクト16世時代が幕を閉じた。空位期間中はタルチジオ・ベルトーネ枢機卿(78)が法王代理を務め、ミサの祈りから法王の名前が省かれる。

 ベネディクト16世はドイツ生まれ。法王庁教理省長官、首席枢機卿を務めた後、05年4月のヨハネ・パウロ2世死去に伴うコンクラーベで法王に選出された。今年2月11日、高齢と体力の衰えを理由に退位を表明した。

 法王に次ぐ聖職者である枢機卿による次期法王を選ぶ秘密投票のコンクラーベは、バチカンのシスティーナ礼拝堂で3月10日前後に開かれる予定。新法王は、3月24日から始まる「聖週間」までに選出される見通し。ベネディクト16世は退位表明後、「教会内部の分裂・対立」を戒めており、次期法王にとってバチカン改革が焦眉(しょうび)の急となる。

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