民法改正:「約款」の規定を新設 法制審の中間試案

毎日新聞 2013年02月26日 20時25分(最終更新 02月27日 00時18分)

民法の大改正に向けて中間試案を取りまとめた法制審議会民法部会=東京・霞が関の法務省大会議室で2013年2月26日午後1時、伊藤一郎撮影
民法の大改正に向けて中間試案を取りまとめた法制審議会民法部会=東京・霞が関の法務省大会議室で2013年2月26日午後1時、伊藤一郎撮影

 民法の契約や債権の分野について大幅な改正を検討している法制審議会(法相の諮問機関)の民法部会は26日、これまで契約時に多用されながら民法で定義がなかった「約款」を巡る規定の新設など、約300の検討項目を示した中間試案を取りまとめた。中小企業などへの融資の際、個人保証を原則無効とすることも盛り込んだ。実現すれば明治時代の制定以来、約120年ぶりの大改正となる。

 民法の契約・債権分野を巡っては近年の社会情勢に合致させることや、制定後に確定した判例を明文化することが求められている。

 試案では、規定がなかった約款に関する定義とルールを新設。インターネットなどで契約する際、画面に表示される長文の約款を細部まで読まずに合意する利用者も多いため「利用者に過大な不利益となる内容は認めない(無効)」とした。

 保証については、事業上の融資での個人保証を原則無効とし、「いわゆる経営者」の個人保証は例外的に認めるとした。「いわゆる経営者」に社長以外の実質的オーナーや社長の親族を含めるかは今後の検討課題とした。

 損害賠償をする際に上乗せしなければならない遅延損害金の算定などで用いる法定利率は、現行の固定制の5%が市場金利より著しく高いとして、3%に引き下げた上で年1回、改定の機会を設ける変動制に移行する案が示された。

 債権の消滅時効については、例外として定められている1年▽2年▽3年−−の「短期消滅時効」を廃止し、現行規定で原則となっている10年を5年に短縮して時効期間を一本化することを含め、複数案が併記された。

 債権譲渡については近年、資金調達手段として活用されることが増えているため、民法が認めている「債権譲渡を禁じる特約」の効力を弱め、資金調達しやすいルールに改めることが提案された。

 契約相手の弱みにつけ込み過大な利益を得る「暴利行為」の規定や、認知症の高齢者などが意味を理解する能力(意思能力)のない状態で契約を結ぶと無効となるとした規定も、明文化することとした。【伊藤一郎】

 ◇約款とは…

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