手本を示す中西コーチ(中)【拡大】
黄金ルーキーとて人の子だ。開幕ローテへ順調に進んできたが、初めて藤浪にメスが入る。テーマはセットポジション。中西投手コーチが警鐘を鳴らし、早急に改善に取り組むことを明かした。
「(捕手の)サインの見方が危ない。ボークも取られたからな。ああやって課題が出て、修正できる能力はある訳だから。そこをやっていく」
前回17日の西武戦(西武D)、四回二死一塁のシーンだ。セットポジションで“完全な静止”を怠ったと判定され、球審と三塁塁審から猛烈に指を差された。本人は、まだセットに入っていないという認識だったが、中学時以来のボークを宣告され、「少しゆっくりやりすぎてしまいました。高校なら『注意』で済むところなんですけど」と頭をかいた。
結局、その後に勝ち越し打を浴びた。シーズン中なら致命傷となっていたところだ。この時期にプロの審判の“厳しさ”を味わえたのは、かえって良かったと言える。
前日18日、神宮球場での試合前練習から、オペは始まっていた。執刀医は中西投手コーチ、そこにベテラン右腕の福原も立ち会った。前傾姿勢を取り、右手を腰に当ててのサインののぞき込み方、そこから両手を身体の前方に持ってくるまでの流れなどを、繰り返し練習した。甲子園春夏連覇右腕は「(セットポジションへの)入り方を変えてみたらどうか、という話でした」と、改造へも意欲を見せていた。