2013.3.20 05:05

浩二監督、沈痛会見 改めて「悔いなし」/WBC(2/2ページ)

特集:
3連覇へ!侍ジャパン
硬い表情で帰国会見に臨んだWBC日本代表の(左から)前田健、井端、阿部、山本監督、東尾コーチ、梨田コーチ(撮影・古厩正樹)

硬い表情で帰国会見に臨んだWBC日本代表の(左から)前田健、井端、阿部、山本監督、東尾コーチ、梨田コーチ(撮影・古厩正樹)【拡大】

 静まりがちな会見場に、カメラのシャッター音がむなしく響いた。首脳陣を代表して山本監督、梨田野手総合コーチ、東尾投手総合コーチの3人が出席。華やかな雰囲気に包まれた過去2回の帰国会見とはまったく異なり、重苦しい空気に包まれっぱなしの15分間だった。

 「7試合のうち、2試合しか先取点が取れなかった。投手陣には迷惑をかけた。先取点を取れない展開が、最後まで響いた」

 野手陣を統括する立場にあった梨田コーチは1次ラウンドから、なかなか火のつかなかった打線についてざんげの念を口にした。悔いも感じさせたものの、「反省ばかりしていても仕方がない。終わって反省ばかりやるのは良くない。この辺で終わらせてもらおうと思います」と開き直っているような態度を示す一幕もあった。

 与田コーチとともに投手陣を預かった東尾コーチは、WBC使用球に完全に対応しきれなかった点を反省材料の1つとして挙げた。

 そして、最も敗退の責任を感じているはずの山本監督は「国際大会に向けての意味を一人一人が感じて、それぞれ力を発揮してくれた。感謝している」などと選手やスタッフへの感謝の思いは語ったものの、プエルトリコ戦での八回の重盗失敗については「ダブルスチールは100%の成功が大事。いけると踏んでのダブルスチール。結果は悪かったが悔いはない」と、前日と同様にあくまでも強がった。

 また大会全般のさい配に関しても「ゲーム、ゲームでその都度、状況判断はできていた」と分析し、明確な反省点を語ろうとはしなかった。

 成田空港で出迎えたファンは前回09年の1200人から大幅減の、わずか100人。打ち勝つ野球か、機動力野球かで揺れ動き続け、3連覇を逃した山本監督ら首脳陣は、責任の大きさを痛感した。 (阿見俊輔)

(紙面から)