再生の原風景 渡良瀬
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【社会】福島第一停電 仮設配電盤 交換せず2013年3月20日 07時18分 東京電力福島第一原発の使用済み核燃料プールなどで同時多発した停電事故で、東電は重要な装置が仮設の配電盤につながっている危険性を認識していながら、後手に回った。停電の原因は仮設の配電盤で起きた異常が各設備に波及したと、東電の調査でほぼ判明。同時多発事故の恐ろしさは、東電自身が二年前に痛感したはずなのに、その教訓が十分に生かされなかった。 (桐山純平) 東電は、問題がありそうな部分を一つ一つ点検していき、最後に可能性が残ったのが3、4号機の仮設配電盤だった。この配電盤は、二〇一一年三月の事故直後の同十八日ごろに設置され、そのままトラックの荷台に置かれた状態で、ずっと使われてきた。簡易的な仕様で、文字通り仮設だった。 そんな配電盤であるにもかかわらず、つながれた装置は、3、4号機と共用プールの冷却装置など重要なものが多かった。早く専用の配電盤に交換していたら、停電事故は防げた可能性が高い。 配電盤を製造する企業で構成する日本配電制御システム工業会によると、仮設の配電盤は取り付けるのは簡単だが、ほぼ電気を流すだけの機能しか備わっていない。 これに対して、どんな機器と接続するかを十分考慮して取り付けられた専用の配電盤であれば、「他の機器に不具合を波及させないよう制御も働くので、今回のような事故は起きにくい」(担当者)という。 「3、4号機は今月中に、共用プールはもう少し後に、専用の配電盤につなぎ替える準備を進めていた。結果論として、もっと早く対応しておけばということになったが…」。東電の尾野昌之原子力・立地本部長代理は十九日の会見で後悔の念を述べた。 事故当初は電源復旧を最優先するために仮で対応することは仕方なかったとしても、早期に配電盤を専用のものにしなかった東電の危機管理の甘さがまた露呈した。 ◆原因不明のまま仮復旧 停電事故で止まっていた使用済み核燃料プールの冷却装置など全九装置が、二十日午前零時すぎまでに運転を再開した。停電の影響を受けた全装置の運転再開は約二十九時間ぶり。ただ、停電の原因になったとみられる3、4号機の仮設配電盤の不具合の原因は分からず、装置の電源を別の配電盤につないだだけの仮復旧となった。 東電によると止まっていた1、3、4号機の使用済み核燃料プールが十九日午後に、共用プールが二十日午前零時すぎに、それぞれ運転を再開した。今のところ、仮設配電盤の内部に目立った損傷はなく、電気関係を詳しく調べて原因を探る。 東電は、早く運転再開させることを最優先し、つなぎ直した電源ケーブルは必ずしも整然となっていない状況だという。近く配電盤を、仮設のものから専用のものに交換するのに合わせ、ケーブルも引き直すという。 (東京新聞) PR情報
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