フィギュア:「第2のキム・ヨナ」が出てこない韓国

ソチ五輪で三つの出場枠を手にするもパク・ソヨンやキム・ヘジンなど新人は世界レベルに届かず

 2013年世界フィギュア選手権はメダル争いに加え、来年のソチ五輪出場枠獲得競争も激しく、最終的に女子シングルでは韓国、日本、米国が3枠を確保した。韓国はキム・ヨナ1人が奮闘したが、日本と米国は複数の選手が活躍し、レベルの高さと選手層の厚さをあらためて示す形となった。

 キム・ヨナは金メダルを獲得し、韓国に初めて三つの出場枠をもたらした。しかし問題は、キム・ヨナと共に五輪に出場する選手たちの実力。現時点ではどう考えても世界レベルに達していないからだ。次世代のホープとされるパク・ソヨンとキム・ヘジンはジュニアグランプリで入賞した経歴はあるが、シニアではまだこれといった実績がない。

 パク・ソヨンは国際スケート連盟(ISU)公認の自己ベストが144.77点で、世界ランキング63位。キム・ヘジンは自己ベスト(149.71点)と世界ランキング(51位)の双方でパク・ソヨンを上回っているが、足首や膝などの負傷で現在スランプ状態だ。今月初めに行われたジュニアの世界選手権でパク・ソヨンは12位(135.42点)、キム・ヘジンは19位(115.22点)だった。

 2010年バンクーバー五輪の女子シングルに唯一3人の選手が出場した日本は、来年のソチ五輪でも三つの出場枠を確保した。まず日本で実力トップの浅田真央が今回の世界フィギュアで3位(196.47点)に入り、18歳の村上佳菜子が自己ベストの189.73点で4位に入った。村上は浅田の高校・大学の後輩で、浅田の高校時代の制服を譲り受けたことでも知られる。世界ランキングも7位にまで上がった。

 米国は今大会、アシュリー・ワグナーが187.34点で5位、グレーシー・ゴールド(184.34点)が6位に入り、ソチ五輪の出場枠を三つ確保した。グレーシー・ゴールドはジャンプのレベルが高く、とりわけ空中での姿勢や着氷時の動作が非常に美しい。今回は初の世界選手権出場というプレッシャーで実力を発揮できなかったが、潜在的な能力は高い。

 中国の李子君も今大会7位(183.85点)に入る活躍で、非常に印象的だった。特にフリーの技術点(69.41点)はキム・ヨナ(74.73点)に続く高得点を記録した。

 キム・ヨナは「五輪は韓国の選手たちにとってこれまで出場の機会がなかったが、チャンスをもたらすことができてうれしい」とコメントする一方「韓国の選手たちは大きな大会での経験が足りないため『井の中のかわず』の側面がある」とも苦言を呈した。世界トップの選手たちと国際大会で何度も対戦することで、初めて成長できることを指摘したわけだ。

成鎮赫(ソン・ジンヒョク)記者
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