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最終更新:2013年3月14日(木) 0時56分

コンクラーベ2日目、“新法王”が決まらない背景は?

コンクラーベ2日目、“新法王”が決まらない背景は?

 新しいローマ法王を選ぶ「コンクラーベ」の2日目。バチカンの群衆が見上げたのは、またもや「黒い煙」でした。混迷の背景には、教会が抱える深刻なスキャンダル、性的虐待の問題があります。

 日本時間の午後7時半すぎ。

 「今、煙が上がりました。黒い煙が上がりました」(記者)

 コンクラーベ2日目。広場に傘をさした人々が詰め掛けましたが、白い煙は上がらず、新しい法王は決まりませんでした。

 システィーナ礼拝堂に籠もり、法王に次ぐ地位の枢機卿115人による投票。3分の2を超える支持を得られるまで投票は繰り返されます。その方法は、法王にふさわしいとする人物の名前を書き、匿名で投票。その後、集計結果が読み上げられます。自分の名前は書けません。ちなみにコンクラーベとはラテン語で「鍵を閉める」という意味です。一切の通信なども認められていません。

 有力候補といわれる人物は今回も何人かいますが、バチカンでは、「法王になりたいとコンクラーベに参加したものが枢機卿として帰ってくる」と言われるほど、有力候補が法王になれないことが多いのです。2010年までバチカン大使を務め、当時のローマ法王と接見したこともある上野氏は、今回のコンクラーベは長引くとみています。

 「今回は大きなスキャンダルなどいろいろな波が立っている中で、きちっと問題のウミを出して片づけることができる人は誰か、コンセンサスができていくには時間がかかる」(前駐バチカン大使 上野景文氏)

 また、今回のコンクラーベに、聖職者の性的虐待を隠ぺいしたと訴えられている枢機卿が参加しており、物議を醸しています。ロサンゼルス大司教を務めたマホーニー枢機卿です。2007年には508人の被害者と6億6000万ドルで和解。12日にも被害者4人と1000万ドルで和解したとアメリカメディアは報じています。

 自らも神父による被害者で、性的虐待被害のネットワークを率いるデイビット・クロエッシー会長。12歳から4年間、神父から虐待を受け続けたといいます。

 「性的虐待は夜に起きました。彼(神父)は私のe$K>h$jBN$r2!$7$D$1$?$j!"!J?@Ic$,!K2
 アメリカだけで6000人の被害が確認されているほか、世界100か国から聖職者による虐待の報告があるといいます。

 「多くの枢機卿が性的虐待を隠すか無視しているのです」(神父による性的虐待被害者ネットワーク クロエッシー会長)

 一方で、新法王のための新しい服や靴などが公開されました。誰になってもいいようにサイズも3種類用意されていました。投票は現地時間午後にも2回予定されています。(13日23:21)

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