日本人が中国人と国際結婚をする際に注意すべきこと

  [2013/03/13]


【相談者:20代男性】
僕は中国人の留学生と交際しているのですが、交際期間も3年目に入り結婚を前提としています。しかし、僕の両親も彼女の両親も結婚には反対しています。お互いの両親とも外国人と結婚するなんて! というのが理由です。彼女には、反対されても結婚しようと押してみたのですが、そこまで乗り気ではないようです。

その態度に凄く落ち込みました。僕は駆け落ちでも良いと思うのですが、彼女はそこまでして結婚はしたくないようです。それからというもの、少しギクシャクしています……。彼女とは、この先どのようにしていけば良いのでしょうか? お互いが好き同士なら、反対を押し切って一緒になっても構わないと僕は思うのですが、駄目なことなのでしょうか?

●A.「結婚」とは何を意味するのか、お互いの意図なる文化を受け入れましょう。

こんにちは! 火消し探偵の山木です。

最初に知っておいて欲しいのですが、根底からして質問者様の考えは間違っています。好き同士なのだから個人の勝手でしょ? と、お互いに駆け落ちみたいな事をしたり、互いの親族と交流をしなくても良いという捉え方をするのは、アジアの中でも日本だけだと思ってください。

特に、質問者様が結婚しようとしている中国人とは、家と家との結びつきを非常に大切にします。嫁ぐという字は、女が家に入ると書きますが、その言葉の意味をよく考えてください。家には、家長がいて家を守ります。またその嫁が一家の面倒をみて……というのを、当然のように続けている習慣があることを忘れてはいけません。日本も昔は同じだったのでしょうが、戦後のアメリカの文化が入ってきたことや、グローバル的な考えが広がったことが理由で個人主義偏重になり、小さい頃から個人主義が当然のように育てられた若い世代は疑問に思わなくなりました。しかし、中国は変わったといえども、多くの中国人の考え方は昔のままです。

私の見た2つのケースを出しましょう。

(1)相手の両親に調べられた……
質問者様と同じように両家の反対を押し切り結婚しようとしたカップルがいたのですが、中国人側の両親が、結婚相手が何をしている人なのか、どういう仕事をしているのかを調べて欲しいという依頼が過去にありました。調べたところ、結婚することに問題はないように見受けられたのですが、結局、結婚は許さないということでした。家長のその決定に娘も従いました。信じられますか? 父親が許さんと言ったら、それで終わりということです。

『ベストキッド』という名作映画がジャッキー・チェン主演にて少し前にリメイクされましたが劇中で、「パパからあなたとは付き合うなと言われたから、あなたとは友達を辞める」という台詞をヒロインが言う場面がありました。ハリウッドや邦画ではあんまり考えられない展開ですが、中国人の中でそれだけ家長が言うことは絶対という根底が根付いているからこその現れでしょう。ちなみに、この映画では主人公が、「あなたの娘にふさわしい友人になるから許してください」とヒロインの父親に謝罪懇願することになるのですが、質問者様含むほとんどの日本人男性は、「何で友人関係に親の許しが必要なんだ」と思うのではないでしょうか。

(2)父が言うことだから仕方ない
私の取引先の中国人の話です。その人は日本語の教師の資格を持つほど日本語は堪能で、日本に年商数億の売り上げを出す会社の社長でもある、バリバリの日本在住のビジネスマンでした。日本に永住したいという希望がありましたが、二年前の震災の時に中国に帰ってこいという家長からの一言により帰国することとなりました。「日本にいたかったが、父が言うことだから仕方ない」というのが彼の最後の挨拶でした。

*****

この2つのケースを聞いて、質問者様はどう思いますか? この2人が特殊ではなく、殆どの中国人が「家長は絶対的な存在」と思っているから、家長の意向に従ったと捉える方が良いでしょう。冒頭にも書きましたが、中国人だけでなく韓国人やアラブ諸国などのイスラム教国家でも一緒です。

私から言えることは一つ。今現在で、彼女の親に反対されているなら、駆け落ちなどしたところで絶対に幸せな未来はありません。どうしても結婚したいなら、中国まで行って彼女の親御さんとのコミニュケーションを取るべきであり、親の感情が悪化するような強硬策は取るべきではない。

貴方の親は最終的には貴方の味方になると信じ、説得は最後にまわしてでも、彼女の親や兄弟との信頼関係を構築していかなければ、祝福される結婚などないでしょう。

今まさに貴方がどのような行動をとるかを、彼女も彼女のご両親も様子を見ているのだと思います。個人とではなく、家と家が結婚する。その意味をもう一度考え、互いの意図なる文化を受け入れながら彼女と結婚について話してはどうでしょうか?

(ライタープロフィール)
山木陽介(探偵専門家)/火消し探偵。大手探偵社から2009年独立し、総合探偵社SKY株式会社を設立。日々あらゆる男女のトラブルの火を消化し10年目を迎える。「悩みを抱える人たちの支えになるのは、調査業も医療も一緒」という考えから鍼灸接骨院も設立。貴方の心の悩みも体の痛みも消してみせます!!

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