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新型の耐性菌 国内で初確認
3月20日 5時37分

新型の耐性菌 国内で初確認
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ヨーロッパを中心に感染が広がっている、ほとんどの抗菌薬が効かない新しいタイプの耐性菌が、東南アジアで治療を受けて帰国した男性から検出されていたことが分かりました。
国内でこの耐性菌が見つかったのは初めてで、専門家は医療機関に監視を強化するよう呼びかけています。

国立感染症研究所などによりますと、新しいタイプの耐性菌が検出されたのは、去年11月に東南アジアで脳梗塞の治療を受けて帰国した60代の男性です。
入院先の千葉県の病院で、たんや便からさまざまな抗菌薬に耐性を示す細菌が見つかったため調べたところ、抗菌薬を強力に分解する「OXA48」と呼ばれる酵素の遺伝子を持つ耐性菌だったということです。
男性に感染症の症状が出ることはなく、しばらくして細菌も検出されなくなったとしています。
ほとんどの抗菌薬が効かないOXA48は、数年前からヨーロッパ全域で大規模な院内感染の原因となっていて、おととし8月までに、オランダで感染した98人のうち27人が死亡したとされています。
国内で見つかったのは今回が初めてで、耐性菌に詳しい名古屋大学の荒川宜親教授は、「健康な人にほぼ害はないが、抵抗力が落ちた人に感染すると重い合併症や死亡につながる率が高いと報告されている。国内で広がると医療現場のリスクが極めて高くなるので、監視を強化する必要がある」と話しています。

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