2013/03/19

自分の娘に性欲のはけ口を求めるサントリーウエルネス広告がキモすぎる

サントリーウエルネスのウェブ広告は、以前から不快に思っていました。

あまりに不快なので、視界に入るたびにむかむかして舌打ちするか、すぐに目をそらしてしまうんですけど、この不快さをみんなと共有してサントリーウエルネスをこの世界から滅ぼしたいので(笑)、ここでいくつか取りあげてみます。

サントリーウエルネスの狡猾なところは、あれだけ煽情的で不快な広告を出しておきながら、販売サイト本体ではきわめて穏当な作りをしている点です。これでは販売サイトを見ても、あの不快な広告を指摘することができません。また、広告という性質のため、見たくないときにはむりやり見せつけられるのに(笑)、画像検索ではなかなか見つけられません。幸いにして(?)、この広告画像を保存してブログ等に転載されているかたがいらっしゃるので、そこから掘りだすことができました。

サントリーウエルネスは、いくつかの取り扱い商品について広告を出していて、その商品にはアンチ・エイジング、滋養強壮、体臭抑制などがあるようです。どの広告でも共通の設定があるようなので、ここではとくに区別はしていません。


さて、ここから、サントリーウエルネスの不快広告を1つずつ取りあげていきます。まずは比較的に穏当なほうから順番に見ていきましょう。

私、どうしちゃったんだろう…
えっ、同じ悩みの女性って多いの?
52歳、同窓会で元彼に会う
たるんだ私
見せたくない…(52歳 女性)
えっ、42歳?子持ちに見えない!
ママになっても、キレイでいたい。でも、毎日、家事や子育てで忙しい。そんな私にぴったりだったんです♪(42歳 女性)
えっ、48歳?カワイイ!
そのハリツヤ、私も欲しい!
えっ、48歳?お母さんだったの?
娘の友達にも驚かれる、このハリツヤ♪(48歳 女性)

まあ、ぜんぜん大丈夫ですよね。よくある疲労対策やアンチ・エイジングの広告です。ぜんぜん平気。女性の不安な気持ちに付けこむところに、すこし嫌らしさは感じますが、まあよく見かけるタイプの広告です。おそらく女性向けの媒体にはこういうやさしいタッチのものを出しているのでしょう。


では、男性向けの広告がどのようなものか、と見てみると…?

え、その歳には見えないわ。最近、人に言われた嬉しい一言です。(38歳 男性)

えーと…。どういうシチュエーションなのかがいまいちよく理解できませんが、初対面(←おそらく)の女性に若く見られたので嬉しいな、ということですね。女性向けの広告が日常的な悩みを取りあげているのに対し、こちらはかなり「非日常」な雰囲気をただよわせています。

「38歳に見えない」というのは、あわよくば(20代とおぼしき)この女性と対等な恋愛関係を築けるかも…というオッサンたちの願望がこめられているように見えます。気のせいでしょうか?

52歳、妻を喜ばせたい!
もう一度取り戻したい、男の自信。(52歳 男性)
52歳「スゴイ!」と妻が…
歳とともに衰えがちな気力と自信。それらを取り戻すきっかけとは?自然がくれたチカラで、いま再び理想の自分自身へ。(52歳 男性)

ずいぶんストレートですね。よくご存じのとおり、「妻を喜ばせる」「男の自信」というのはこの手の広告の常套文句で、性的な能力を指します。なにが「スゴイ!」というのか、言わんとする意味は明らかですね。性的行為でもって妻を満足させたい、そうできるだけの性的能力を取り戻したい、というわけです。

まあ、性欲を向ける対象が妻であるうちはまったく問題ないでしょう。ただ、かの「サントリー」ブランドを背負って、ここまで直接的、あけすけに言えてしまうのか…という衝撃はありましたが。

ここで、この広告の主人公が「52歳 男性」である、という設定が出てきました。この設定はこのあとも続けて使用されます。

52歳「スゴイ!」と妻が…
男の自信、取り戻すきっかけとは?(52歳 男性)

おなじフレーズで主人公も「52歳 男性」ですが、写真が違ってます。この写真の女性が、「52歳 男性」の「妻」なんでしょうか。どうも、そうは見えません。雲行きがあやしくなってきましたよ。

妻を喜ばせたいというのは体のよい言い訳で、じつはもっと若い女性といい関係に持ちこみたい…そういう欲望をオッサンどもに抱かせようとしているように見えます。

50代、男の衰えに朗報!
最近、歳のせいか勢いが鈍りだした…
みなぎる程の男の自信をもう一度、取り戻したい。(52歳 男性)

おや…?おなじ女性の写真なのに「妻」という文字が消えましたね。

妻でないとしたら、主人公とこの女性はどういう関係なのでしょうか。やはり、年齢的に妻ではないように見えます。

性的能力をあらわす言葉づかいが多用されていて、この女性を性欲の対象として見ていることが分かります。

50代、元気すぎて困る。
ここが元気の正念場!
「忙しくても休めない・・・。」年齢は変わらないのに、元気で若々しい人がいるのはなぜ?
アミノ酸がぎゅっと詰まった、伝統の健康食材「黒酢」と、厳選されたブランド品種「にんにく」を1粒にぎゅっと凝縮。しかも1日わずか56円という、うれしい価格であなたの元気を応援します。そのパワーの秘密とは?

お分かりになりますでしょうか。

若い女性の写真が出ていますね。この女性が50代という意味ではありません。

これまで見てきたことから、この女性も、主人公「52歳 男性」の性欲の対象とされていることが分かります。50代のオッサンでも、この食品を食べればこんなに若い女性とお付き合いができますよ、と言ってるわけです。「元気すぎる」というのも、よく使われる性的能力の表現です。

うわー、きもい。

40代。ペコペコして、ヘトヘト?
得意先に、部下に、仕事に振り回されて毎日ぐったり。休みたいのに休めない。そんなあなたを、サントリーは応援します。ひと粒に凝縮された贅沢な元気食材とは?飲んでいる人が驚いた、その元気パワーの秘密とは?

これも同じです。

ここでも若い女性の写真が出ていますが、文章の内容とはまったく関係がないですね。普通に読めば、ここで女性の写真をだす必然性がまったくないわけです。

この手の広告では常套手段ですが、「ヘトヘト」「ぐったり」とは性的な能力が欠けている、ということを暗示しています。

つまり、この食品を食べれば、こうした若い女性とエッチできますよ、と言っているわけです。

文中に「部下」というキーワードが出てきました。この女性がその「部下」なのかもしれません。そうするとこの広告は、部下の女性と肉体的な関係を持つことを、理想的な状況として提示していることになります。

えっ52歳?私の親と一緒?
センスもいいし50代には見えない!(26歳 女性)

26歳の女性が、「52歳 男性」を若々しいと評価している広告ですが、主人公とこの女性はどういう関係なのでしょうか?

「センスもいい」という文句を付けくわえることで、この男女が恋愛関係になりうることを示唆しています(この商品にはセンスを向上させる力はないので、それ以外に、わざわざこの文句を付けたす理由がない)。やはり、ここでも目の前の女性を性欲の対象として見ていることが窺えます。

さて、ここで重要な設定が登場しました。この若い女性が、26歳である、ということです。この設定は、あとでたびたび流用されます。

「52歳 男性」から見ると、「26歳 女性」はほぼ自分の娘と同世代です。このことから、自分の娘と性的関係(!?)を持ちうることに可能性を見いだしています。考えすぎでしょうか? あとで傍証が出てきます。

課長にホレた…
判断が速くて、次々と仕事をこなす課長。素敵、回転の速いひと。(26歳 女性)
上司と恋に落ちる…
素敵、回転の速いひと。50代とは思えないほど頼りになる私の上司。社内の噂では、ある習慣を最近始めたらしい。その習慣の秘密って… (26歳 女性)

はい、これまでの一連の女性たちが、主人公の部下であることが確定しましたね。

表向きの効能書きとしては、この食品を食べると疲労がたまらないから仕事がよくできる…という建前になっていますが、「ホレた」「恋に落ちる」というキーワードを用いて、部下と性的関係を築けるのでは…とオッサンたちに期待を持たせています。

徹夜続きの課長とデート♪
すごい元気…カワイイ!(26歳 女性)

「徹夜」「デート」というキーワードを組みあわせることで、この女性と一晩を明かしたことを暗示しています。なにが「すごい元気」なのかは言うまでもないでしょう。

これまでは、若い女性から一方的に慕われている、という設定だったのが、ここから相互に性的行為を交わす関係になっています。

新セサミンがすごいと話題
「まるで20代のような上司…秘密は新しいセサミンでした」

なにが「まるで20代」で、なにが「すごい」のか、もはや言うまでもありません。これまでも「すごい」というキーワードはすでに登場していますが、すべて性的能力を暗示するものでした。

明記はされていませんが、ここでの主人公もこれまでと同じく「52歳 男性」で、この写真の部下も「26歳 女性」ということでしょう。52歳の男性でも、この食品を食べれば20代のような性的能力を身につけることができ、26歳の女性のお相手ができますよ、というメッセージを伝えているわけです。

52歳の男性が性欲を持とうと、それ自体はべつに構わないのです。ただ、オレとしては、娘と同世代の部下を性欲のはけ口とみる眼差しを問題にしたい。なぜなら、キモいから(笑)。

枕のニオイが、今までと違う…
自分の体臭に、変化を感じたら、そろそろニオイケアを。ニオイに敏感な周囲の女性に気づかれる前にケアを始めませんか?

いわゆる加齢臭を消すための商品の広告です。女性の存在を匂わせてはいるものの、匂いケアの商品としては、まあ普通の広告のように見えます。

が、覚悟してください。ここからだんだんキモくなっていきますよ(笑)。

お父さんのニオイが気になります…
仕事も肌も脂がのりだす働き盛り世代。ニオイに敏感な周囲の女性に気づかれる前にケアを始めませんか?
上司のニオイが気になります…
仕事も肌も脂がのりだす働き盛り世代。ニオイに敏感な周囲の女性に気づかれる前にケアを始めませんか?

この広告の主人公は「お父さん」なのか「上司」なのか、どっちなんでしょうね(笑)。これは広告のターゲットのオッサンが、だれに対して匂いをアピールしたいかによって、表現を使いわけてるわけです。

ここで分かることは、この一連の広告が、「部下」と「娘」とを同一カテゴリにくくって見ていることです。呼ばれかたが違っているだけで、年齢も、容姿も、匂いの気になるシチュエーションもまったく同じです。「部下」と「娘」の差がまったくと言っていいほどありません。

ということは、会社の部下を性欲の対象として見ていたように、自分の娘でさえ性欲の対象として見ることが可能である、ということです。

しかし、そうでないとしても、自分の娘に自分の匂いをアピールしたいオッサンって、もうその時点で非常にキモいんですが…(笑)。

ニオイで決まる!男の価値
実は、女性の9割は男性のニオイを気にしています。

「男の価値」とは、性的な魅力のことを表していますから、主人公はこの女性を性欲の対象として見ていることが分かります。

男性の匂いを気にしているという、この女性。これだけだと男性との関係が分かりませんね。いままで見てきたとおり、会社の部下なのでしょうか?

この女性の正体は、次の写真で分かります。

「お父さん、いいニオイ♪」
実は、女性の9割は男性のニオイを気にしています。

うぎゃああー!キモひぃぃ~~!

ついに真打ちが出てきました、パパ・シリーズ!!!

もぅ、勘弁して…。まぢキモぃ…(涙)。

男性の匂いを気にする女性といって引きあいに出すのが、なんで娘なんだよ!!(怒泣笑)

とくに3人目の女性は、高校生か大学生くらいにしか見えません。この女性の写真で、いくつかのパターンが作られてます。

すごい!パパのニオイが!

いやいやいや…。匂いが消えるだけなら、日常生活で娘に「すごい!」と言われるような状況になることはありえないでしょ!?

どうも、日常生活「以上」、娘「以上」のシチュエーションが想定されているように見えます。

「パパ、いいニオイ♪」
いいニオイのパパが好き!

下の写真、5人の女性(左列は同じひとっぽい)が、どれも高校生から大学生くらいに見えます。幼稚園や小学生ならともかく、そんな女性が「パパ、いいニオイ♪」「いいニオイのパパが好き!」というシチュエーションは想像できますか?

要するにサントリーウエルネスはですね、この女性たちがパパに抱きついて、くんくん匂いをかいで笑顔を見せている、そういう状況をほのめかしているわけですよ。

でも、普通の親子が、そういうことをしますかね!?

明らかに別のなにかを狙ってますよね!?(涙)

やだ、ホレちゃう…
実は、女性の9割は男性のニオイを気にしています。

とうとう、ここまで来てしまいました…(絶句)。

「ホレちゃう」だとよ…。モデルさんは、さっきまで「娘」役だった女性です。

「お父さん、いいニオイ♪」と言っていた女性が、お父さんに「ホレちゃう」んです。

これまで女性たちが「いいニオイ♪」と言っていたのは、娘が、お父さんに「ホレちゃう」までのストーリーを、1コマずつ断片的に見せられていたわけなんです。

オエエエーーーーーーwwwwwwwww

いやね、べつにお父さんにホレちゃう女性がいたって、ぜんぜん構わないんですよ。そういう好みだってアリだと思うし。

でもさあ、自分の娘を性的な眼差しで見つめ、自分の娘にホレられることを期待するオッサンの欲望がキモすぎ!!

「サントリー」ブランドを背負って、そんなキモい広告出すなよなー!!(泣怒)


まあ、そういうわけで、サントリーウエルネスの広告はキモいし、できればこの世から消滅してほしいので、みんなと評価を共有したいと思って、キモさに耐えながらブログを書きました。

画像は以下のブログ等から頂戴しました。

34 件のコメント:

  1. 同意同意同意です!
    どんどんひどくなってきましたね。
    おばさま向け「こんなに回転の速い世界……」も、どうしたものでしょうか。

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    1. ありがとうございます。
      あまり指摘してる人がいなかったので、おなじ思いをしてる人がいると勇気づけられます!
      恥ずかしながら、おばさま向けのほうはまだ見たことがありません。
      と思って検索してみたら…。これか~!!
      http://emuh.cocolog-nifty.com/blog/2013/02/52-7170.html
      なるほど、これは…。

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  2. これらの広告を一度も見た事が無いんだが……。
    ブラウザの広告ブロック機能とか使えば済む話かと。
    むしろ、簡単な解決方法を模索せず、広告そのものの根絶を目指そうとするとんでもない思考に走れる頭の構造を心配した方が良いのでは?

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    1. この記事を書くためにブロック機能を解除しました。
      なにか誤解をされているようですが、オレが広告から目をそらしても何の解決にもなっていません。
      日本の諺に「臭い物にふたをする」というものがありますが、ふたをして匂いがなくなっても、臭い物を無くすことはできない、という意味です。
      お分かりになりますかね?

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  3. >自分の娘を性的な眼差しで見つめ、自分の娘にホレられることを期待するオッサンの欲望がキモすぎ!!

    オッサンは関係ないやろ!!勝手にキモイ被害妄想してんじゃねえよ

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    1. 「52歳 男性」はオッサンやろ…。

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  4. ブラウザの広告ブロック機能を知らないでこの記事書いてるとしたら、貴方相当恥ずかしい事してますよ?

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    1. この記事を書くためにブロック機能を解除しました。
      というか、それ以前に、この広告は属性ターゲティングが施されているので、「52歳 男性」という属性から離れたユーザはほとんど目にする機会がないと思いますよ。

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  5. あるドラマで親子関係を演じていた男女の役者が、別のドラマで年の差のあるカップルを演じているのを観たときに感じる嫌悪感のようなものですね。

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    1. 半分くらいは、それですね。
      なおかつ、その2つの役割がじつは同一視されていると残りの半分が完成しますw

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  6. 制作側の配慮不足だとは思いますが、あなたが(特に後半で)述べているような意図で作られたものではないと思いますよ。
    同じ写真でコピーだけ違うものが多数出稿されることはよくありますし、各々のバナーに関連性はないでしょう。実際、記事の最後に貼られたバナー(ヤダ、ほれちゃう…)を見て、それが娘を表しているとは誰も思わないでしょうし、制作が当然そういう前提で制作しているはずです。確かに性的なものを喚起させる表現はありますが、偏執的に並べ立てて独自の解釈をすることがむしろ気持ち悪いです。

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    1. えーと…。A/Bテストという言葉をご存じでしょうか。
      簡単にいうと、おなじ写真を使ってコピーだけ変えた複数バージョンの広告を出稿して、クリック率(CTR)の高いほうを次回に残し、また別の複数バージョンの広告を…と繰りかえして、しだいにCTRを挙げていく手法です。もちろん、おなじコピーを使って写真だけ変えて…というのも、そうですね。
      おなじ写真が使いまわされているのは、手持ちの写真が少ないからでもないし、手抜きをしているわけでもなく、そうしたA/Bテストの結果として、そこに収斂されてしまうわけです。
      で、その結果、ユーザにウケのよい写真とコピーの組みあわせだけが生きのこるわけですが、そこでユーザが希望するストーリーというのを、このブログで浮き彫りにしてみたわけです。
      ここで「部下」と「娘」はユーザの夢想するストーリー上では置きかえ可能な役割(Role)であり、たとえば「部下」と「妻」では成立しなかったわけですね。
      この点はすでに記事中で指摘していますが、「部下」と「娘」が置きかえ可能な、同一カテゴリのものとユーザ(および広告出稿者)には見なされている、というのがこのブログ記事が主張するところです。

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    2. 機械的に組み合わされていることをご存知なのであれば、尚更なぜそのような解釈に至ってしまうのか理解に苦しみます。そこにストーリーは無いのですから。そもそもあなたは娘に気に入られたい父親、という訴求ポイントを単に気持ち悪いものと解釈しているようですし、単にオッサンを辱めたいだけのように見えます。

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    3. 機械的に組み合わされたものではないですよ。
      下のコメントにも書きましたが、A/Bテストは広告出稿者とユーザとの共同作業で作りあげられるものであって、最終的に完成するのは、ユーザの願望です。
      A/Bテストは、ユーザの願望を可視化する仕組みなんですよ。

      あと、オレはオッサンを「単にオッサン」であるというだけの理由で批判したりはしません。オレ自身がオッサンだし。

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    4. なので、追記ですが、若い女性に気に入られたい(そこに必ずしも性的な意図はない)オッサンがキモいという主張なら理解できます。「娘がお父さんに『ホレちゃう』」というこじつけは完全に論理破綻していると思いますよ。部下ですらないでしょう。

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    5. なんども繰りかえすのは面倒なんでこれで最後にしますが、この一連の広告では、「娘」と「部下」の役割に明確な区別がありません。もちろん、娘と性的関係をもつ、ということを直接的に示したものはありません。しかし、おなじ種類の眼差しを持っている、ということを指摘しています。

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    6. 認証システムに時間がかかりますね。
      ユーザの願望は1つには集約されませんよ。娘に気に入られたい願望と若い女性にホレられたい願望は別のユーザが抱いているものです。それぞれの集団が一定数存在するから残っているのでしょう。あなたは不特性多数を一個人のように捉えているからそのような解釈になるのではないでしょうか。

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    7. たしかに、A/Bテストの結果は1つに収斂されるものとは限らないですね。とはいえ、広告を出稿する立場としての理想は、目標を1つに絞ることだったりするので、とくに理由のないかぎり、ターゲットが複数あったのだと想定するのは、あまりオレは採りたくないですねえ。

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  7. A/Bテストという言葉があります。

    簡単にいうと、おなじ写真を使ってコピーだけを変える、おなじコピーを使って写真だけを変える、そうした複数バージョンの広告を出稿し、クリック率(CTR)の高いほうを残して、また違ったバージョンを作り…。この繰りかえしで、クリック率の高い広告を作りあげていく手法です。

    おなじ写真が使いまわされているのは、手持ちの写真が少ないからでもなく、手抜きをしているわけでもなく、こうしたA/Bテストの結果として、よりウケる写真、よりウケるコピーに収斂された結果なわけです。

    この手法で生みだされる広告は、出稿者とユーザとの共同作業で作られている、と言うこともできるでしょう。

    最終的にできあがるのは、ユーザがもっとも好ましく思うストーリーを提示する広告、になります。では、どのようなストーリーが完成したのでしょうか?

    娘か、娘と同じくらいの年頃の部下に好意をいだかれる、というものでした。

    よく見ると、娘と部下との役割(Role)がはっきり区別されていません。なおかつ、部下に対しては明らかに性的な欲求を抱いているわけですね。

    あーめんどくなったので以下略。

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  8. 「ユーザの願望が視覚化されてしまった!」、A/Bテストの結果で…ということですな。もっと簡単にいうと。

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  9. ターゲティングされてるならそれでいいじゃん
    普通にしてたら目に入らないってことでしょう

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    1. オレの目に入っても入らなくても、なんの解決にならないですよ。

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    2. 解決以前に問題が無いのでは

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    3. あなたにとっては、問題ではないのでしょうね。
      あなたの立場は尊重しますよ。

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  10. はじめまして。
    とても力のこもった記事で面白く読めましたが、私も共感はできないっぽいです。

    1)japanesescottieさんも指摘してますが、 ストーリーが一本に収斂したという
     仮定に無理があるのでは。その仮定が正しいなら
     「自分の娘を性的な眼差しで見つめ、自分の娘にホレられることを期待するオッサン」
     向けの広告ってことになりますけど、そんな狭い特殊層を狙うでしょうか。
    2)親子ほどの年の差があろうと、親子ではないなら恋愛したって構わないのでは。
    3)上半分はともかく下半分に性的な関係を見出すのはさすがに無理筋ですよ。
     すれ違っただけでも体臭って分かりますもん。家族や同僚なら普通に嗅ぎ分けできます。

    まぁ、キモいもんはキモいんじゃー、というのも尊重しますけどね。

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    1. (1)「特殊層を狙う」というよりは、A/Bテストでユーザの期待に最適化していった結果、そうなってしまった、というべきでしょうね。だからこそ、サントリーウエルネスにも試行錯誤をした痕跡があるんですよ。
      (2)年の差があっても、恋愛していいと思いますよ。それは一度も否定していないです。しかし「部下」や「娘」など、力関係が圧倒的に異なる相手の関心を引こうとすることは、相手の女性に対しては相当な抑圧が働くでしょうね。その抑圧への無自覚を、オレは「キモさ」と表現しています。
      (3)すれ違った女性が匂いに勘づくかどうか、ではなく、ターゲットの「52歳 男性」が、だれのために匂いを改善したがっているか、ということですね。

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    2. 1)そうなってしまった、ならキモいのはクリックした客の方かも知れませんね(笑)
      2)納得です。読み取れなくてすみません。
      3)『加齢臭のせいで娘や若い部下に嫌われるお父さん』になりたくないって
      欲求を刺激してるだけですよね。やっぱりキモいと仰るツボが分からない…。
      『匂いなんて日常生活では気付かない→日常生活以上の関係だ→キモい』と
      と読めたんですが違いましたか。抱きついてくんくんなんてしなくても
      日常的な離れた距離でありうる状況ですよねと指摘したかったわけです。

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    3. (1)その通りです。広告というのは、こうして出稿側とユーザ側との共同作業で作られていくものなんですよね。
      (3)匂いで嫌われたくないのなら、男性の部下や息子にも意見を聞いたほうがいいんじゃないですか。なぜ女性にだけ好かれようとするのでしょう。むしろ、性的な関心を読みとらないほうが困難な気がしてしまいます。

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  11. 私も前からこの会社の広告は品がないと思ってました。
    サントリーって、この前黒烏龍茶のCMで消費者庁から注意されてた気がしますが。
    サントリーのブランドなら、こんな広告流さなくても十分売れそうな気がするんですが。。
    私個人はサントリーのウィスキーのファンなので、なんか悲しいです。

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    1. まあ、ひとくちに「サントリー」と言っても、おなじブランドをかかげた複数の会社がありますのでw
      とはいえ、サントリーウエルネスの責任者も、親会社も、こうした品のない広告を見すごしている責任は免れないんじゃないかなー、とも思いますね。

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  12. ホントホント、この広告はすべて下品

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    1. たんに性的な自尊心の充足を求めるだけだったら、そんなに不快な感じにはならないと思うんですよね。
      会社における部下、家庭における娘、つまり圧倒的に力関係のおとる相手を、性的に服従させようという意図があるので、下品だし、危険。
      しかも、この暴力性に無自覚であるところが、なおさら…なんですよね。

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  13. いや、この広告は画期的ですよ。
    従来の方法なら、ニオイ自体を消す方に進むはず。
    でもこれはニオイを積極的に肯定している。
    しかも香水とかじゃなく体臭ですよ。「パパ、いいニオイ♪」ですよ。
    ここまでいったら、もう次にくるのは、
    「パパ、クサい。でもそれがいい♪」
    ぐらいまで行ってほしいですね。
    サントリーウエルネスの商品必要なくなるけど。

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    1. にゃはは。ちなみに広告の商品は、たぶん石けんですね。なので、体臭は取ることができるけど、よい香りをつけるわけではないんです。もちろん香料が入ってたら別ですけど、香料くらいならどこの石けんでも入ってますから、この商品の優位性にはならないです。だから、けっきょく「いいニオイ♪」というシチュエーションには、あまりなりそうにないんですよね。

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