■よく「ナルシシスト」っていわれるが…
司会 演技中、「オレってカッコイイ」とか思ってないんですよね。
高橋 よくナルシシストっていわれるんですけれど、僕は違うと思いますよ。コンプレックスの塊。服が好きですけれど、自分に自信がないから着飾るという面もあるし、鏡で自分の姿をよく見るのも、「良くない点がないか」チェックするため。
お客さんがワーって盛り上がると、うれしくなって演技する面はありますが、演技に浸ってないし、浸っちゃダメだと思います。常にお客さんの反応を見ています。今季でいえば、全日本では(お客さんと)距離感を感じたけれど、NHK杯やグランプリファイナルは通じ合えたと思う。勝手な思い込みかもしれませんが。
司会 どのように観戦してほしいですか?
高橋 (みなさんが)好きなように楽しんでいただければと思います。音楽でも、ジャンプでも、滑りでも。どんなものでもライブはいいものですから。会場では空気感というか、日常生活ではあまり聞く機会のない氷を滑る音などを楽しんでください。
司会 転倒が失敗という以外、ルールが分からないという方は多い。
高橋 それでいいと思います。それから少しずつ詳しくなっていけば、違う見方もできるようになってくると思います。僕自身、まったくフィギュアを知らない人が「よかった」と言ってくれると、すごく自信になります。詳しくなりすぎると、いろんなものが見えすぎて、パッとした(全体の)印象が見えなくなるときってありますから。
■ソチまでは限界を決めず、自分の可能性を信じて
司会 最後にソチ五輪と、1人の人間としての目標を教えて下さい。
高橋 ソチまでは限界を決めず、自分の可能性を信じてやっていきたいと思います。金メダルをとれるかどうかは、その状況にならないと分からないですが、十分やりきったと思える生活をして(五輪に)臨みたい。
ずっとスケートに携わってきたから、将来もスケートと共に生活していきたいと思います。日本はリンクの数が少なくて、混んでいます。リンクがあっても、自由に使えないこともあります。北米のように、ここがダメならあっちへ行って練習しよう、という環境にはありません。
本当にスケートをしたい人に、場所を提供できるような環境づくりに携われればいいと思います。現実は厳しくて、目標というか、もう夢ですね。でも、夢だった五輪のメダルも実現したので、こちらの夢も皆さん、ぜひともご協力お願いいたします。
(トークショーの一部を編集、再構成したものです)
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