政府提出の日本銀行正副総裁人事案が衆参院本会議採決をクリアした。総裁は黒田東彦前アジア開発銀行(ADB)総裁(元財務官・1967年旧大蔵省入省)、副総裁が岩田規久男前学習院大学教授、中曽宏前日銀理事(国際担当)の2人である。
『日本経済新聞』が3月14~15日(朝刊)に連載した「新・日銀―脱デフレへの道」の(上)に本田悦朗内閣官房参与(静岡県立大学教授・元大蔵官僚=78年)のインタビューが掲載されているが、その中で同氏は「かなり早い段階で首相の心の中で黒田さんの名前があったと思う」と述べている。
筆者は本コラムで一貫して「黒田総裁本命」説を紹介してきたが、安倍晋三首相が一時期、岩田一政日本経済研究センター理事長(元日銀副総裁)に傾いたのは事実である。安倍首相の最側近である菅義偉官房長官が国会同意人事=野党対策の観点から岩田(一)氏を推していたこと、加えて首相の信任が厚い甘利明経済再生相も同氏が総裁に指名されると見ていたことなどから「岩田(一)氏有力」説は根強いものがあった。
日銀総裁人事と中国の「政変」
筆者が黒田氏を本命と見ていたのには、もちろん理由がある。結論を先に言えば、安倍官邸が、黒田ADB総裁が任期半ばで退任しても、中国は次期総裁獲りに動かないという有力情報を入手していたからだ。現在開催中の全国人民代表大会(全人代。日本の国会に相当)は17日に終了する。
実は、1月初旬、安倍首相のもとに、中国国家指導部の王岐山副首相(経済担当・当時は共産党政治局常務委員でもあった)が全人代開催前に事実上失脚しているとの極秘情報がもたらされたのだ。それは北京の在中国日本大使館=外務省ルートからではなく、麻生太郎副総理・財務金融相の首相秘書官(事務担当)も務めた浅川雅嗣大臣秘書官兼金融局次長(81年旧大蔵省)が国際金融マフィア人脈を通じて独自に得たものとされる。
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